H290521ランドサット8の捉えた夜の西之島
2017-05-21 ランドサット8撮影の夜の西之島
9日ぶりにランドサット8が西之島を夜間観測しました。
当日は低気圧の接近に伴い上層に雲がありましたが、溶岩流は確認できたと思います。
本データはUSGSのEarthExplorerからです。
今回は高層の雲の影響なのか、噴煙及び火映が見えませんでしたので、雲と溶岩流の様子から。
バンドはB10ネガポジで青着色、B7高感度で赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
薄い雲を透過してB7、B6、B5で活動を確認できました。火口及び北側の流出口で温度は高く、活発な活動が伺えます。
溶岩流の表示
高温だけ明瞭にして表示します。バンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
やはり雲の影響なのか、多少ぼんやりしている印象ですね。
日中画像乗せ
バンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。背景日中画像は2017/2/18のランドサット8から。
南西部の海岸線を超えた溶岩流が横方向に広がった印象を受けます。
位置合わせ
海底地形図に溶岩流画像を載せます。
海岸線は西半分だけ5/2の海保の判読からで、東半分は平成27年9月ごろのものです。直らんな。
また海底地形のコンタは、50m毎に計曲線が入っています。データは海保のモノからトレースしています。 縮尺は図示。
赤色立体図乗せ
西之島の赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月9日に測量した2.5mDEMのものです。
http://arukazan.jp/twentytwenty-master/index.html
海岸線の成長とともに、陸上部分の2回塗りもさらに広がりましたね。
判読です
今回の観測は高層の雲にかかったものの、概ね溶岩流の活動は確認できると思われます。
噴火活動の内容に大きな変化はないようです。相変わらず火口及び北側の流出口は高温で、位置的な変化はないものと思われます。
小夜浜から西に張り出したローブは活動を確認できません。動きを止めたままのようです。
南西の海岸線から張り出した溶岩扇状地は面積を増やしました。光点の中心を結んだ測定では、再開前に海岸線に対してこの部分だけでも9万m2は広がったと読めます。
この海岸線は溶岩扇状地最南端の一部でしか、当初水深50m付近の位置からは拡大できていません。流出方向の安定する中ですが、今後は面積の拡大に時間が掛かることが予想されます。
今回は以上です。何とか見えて良かったです。
コメント等はお気楽にどうぞ。
H290512ランドサット8の捉えた夜の西之島
2017-05-12 ランドサット8撮影の夜の西之島
5/9の日中撮影とともに、5/12も撮影は好天の中行われました。当日風はおそらく南南西の弱い風で、噴煙は微小だったようです。
おかげで夜間ながら、西之島の火山活動の全容を判読できる画像を得られました。
火映の表示
本データはUSGSのEarthExplorerからです。
バンドはB10ネガポジで青着色、B7高感度で赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
噴煙は火口付近から北北西に、火映として紫色に見えますが、量は少ないようです。
この画像では、熱赤外線であるB10をネガポジにして青着色していますから、高温部分が黒くなります。溶岩流によって海水が暖められて黒く流れている様子が見て取れます。
同じような組み合わせですが、熱赤外線をネガポジにしないで重ねてみます。
バンドはB11青、B10青着色、B7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
こうすると火映の部分は純粋に赤くなります。温度は低いのに、B7が輝いているのは、火映だという判断になります。
溶岩流の表示
バンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
高温の場所はB5の白ではっきりします。溶岩流出口の位置で最も高温になるのが普通です。
日中画像乗せ
バンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。背景日中画像は2017/2/18のランドサット8から。
噴煙や湯気の無い2017/2/14の画像が、とりあえず具合良いですね。
位置合わせです
海底地形図に溶岩流画像を載せます。
海岸線は西半分だけ5/2の海保の判読を基に更新しましたが、東半分は平成27年9月ごろのものです。中途半端でいかんな。
また海底地形のコンタは、流出している南西付近を重点に少し描き足しました。データは海保のモノからトレースしています。
コンターも海岸線も更新していたんですが、ファイルを壊してしまって残念。ぼちぼち作り直しますのでご勘弁を。
赤色立体図乗せです。
赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月19日に測量した2.5mDEMのものです。
http://arukazan.jp/twentytwenty-master/index.html
2017/5/2に比べて、南西部の溶岩扇状地は広がっていることがわかります。
判読です
溶岩流出口は火砕丘の北側で変化なし。温度はここが最も高く、B4の可視光赤でも微弱にですが感がありました。
主な溶岩流である南西方向の流れは、西頬付近まで乗り上げる形で成長しています。
海岸線は水深50m付近まで前進していますが、5/9の形状に対しては大きく変化がありません。活発な溶岩の流出が起きていると思われますが、海水温の上昇を伴うほどに、海底への流出がおきていると考えます。
また小夜浜から張り出した西側の溶岩流は動きを止めていましたが、海岸付近に光点が現れました。流れが復活したというよりは、溶岩膨張亀裂が成長始めたのではないかと思います。供給圧が高まれば、溶岩トンネルが破れて成長を始める可能性もありますね。
とりあえず以上です。
コメントはお気楽にどうぞ~。
H290509 ランドサット8の捉えた西之島
西之島が4/18に再噴火して3週間になろうとしています。
4月19日夜のランドサット画像は、再噴火ニュースよりも早いデータだったため自分もてんやわんやしました。
公式の再噴火は飛行機で映像確認した4/20になるのかと思いますが、それよりも早く噴火の実態が確認できる、そういう時代になったんだなあと改めて思います。
2017-05-09 ランドサット8撮影の西之島
本データはUSGSのEarthExplorerからです。
バンドはB2青、B3緑、B4赤、背景はB8。画像の解像度は10m/pix。
湯気と変色水が見えます。この変色水領域は水温が高いようですよ。
フォールス赤外線画像に処理しました。
B7赤、B6緑、B5青。
赤外線+パンシャープンです。
B7赤、B6緑、B10ネガポジ青着色、背景はB8。
位置合わせ
パンシャープンに過去の海岸線を載せます。
さて位置合わせの後は、溶岩流の位置を赤色立体図に乗せます。
赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月19日に測量した2.5mDEMのものです。
判読です
一連の再噴火で、南台地の残地の東側一部は飲まれましたが、トータル75%くらいは残ったかな。この残地に向けて、海岸からつながる回廊のような形状が見えるかと思います。ここで踏ん張るあたりが西之島のニクイところです。
あっという間に主流となった南西方向、西頬付近への溶岩流は健在です。海岸線は水深50m付近。今後は溶岩量と斜面勾配の戦いになりそうです。
逆に広大な小夜浜を埋めた溶岩流は水深20m程度まで、そして旧島の南台地付近を伺っていた溶岩流は動きを止めているようです。潔く冷えてしまうあたりが不気味ですね。
ところで中央の火砕丘ですが、元の火砕丘の外輪部分が見えません。湯気の影響もあり不確定ですが、ズバッと言ってしまいましょう。2重火山の形状は終わって綺麗な富士のような山体となっていると思われます。手前計算では、山頂の標高170m程度!
状況に変化が激しいところで、そろそろ海保さんにも更新をお願いしたいですね。うかうかしていると、設置したばかりの基準点が埋まってしまいますよ~。
それでは今回はここまでに。コメントはお気楽にどうぞ。
H290505ランドサット8の捉えた夜の西之島
2017/4/19に1年5か月ぶりに再噴火を開始した西之島でしたが、ランドサット8の撮影は2017/5/5の夜、高層雲の影響があるものの噴火の様子を確認できたので画像をUPします。
データはUSGSのEarthExplorerからです。
いきなりですが火映の表示
2017/5/5、ランドサット8の撮影した夜の西之島。
バンドはB7高感度で赤、B6緑、B5白。 B10のネガポジを青で着色処理。画像の解像度は10m/pix。
これで噴煙を確認します。
火映が雲にほぼ掛かっていませんから、雲は高層雲と思われます。
噴煙を見ると、西之島付近の風は西からですね。
溶岩流の表示
高温部分の確認です。
バンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix
火口周辺はB5もはっきりしていて、熱い状態です。
そして位置合わせの背景日中画像は2017/2/18のランドサット8から。
西の顎浜は活発です。
でも旧島周辺の小夜浜は活動がうっすらとしか確認できません。
赤色立体図乗せ
赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月19日に測量した2.5mDEMのものです。
南西側には結構出ているんじゃないかのう。
ここでもう一つ、東大地震研の推移図に乗せてみますよ。
ここで乗せているのは2017/5/5夜のランドサットデータ。
前回報告した2017/4//19夜のデータと合わせると、下のようになります。
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