H290626ランドサット8の捉えた西之島
西方拡大
好天の中噴煙を上げる西之島を、ランドサット8が捉えました。
6/22に続いて西の方に拡大の様相を固めている中での撮影です。
データはUSGSのEarthExplorerからです。
https://earthexplorer.usgs.gov/
パンシャープン
パンシャープン画像のバンドはB1青、B3緑、B4赤、背景はB8。画像の解像度は10m/pix。緑色っぽさが抜けないんだよね。
自分は雲や噴煙が白い、という前提でお手盛り色調整をやってきたんだが、噴煙が茶色くなってきてこのやり方が破綻したようだ・・。
赤外フォールスのパンシャープン画像
高温の活動領域を確認する画像です。
バンドはB7赤、B6緑、B5青、B8背景でソフトライト。画像の解像度は10m/pix。
火砕丘全体に高温部が乗っています。南側斜面にはうっすらと流出口の光点がありますが、活発活動という雰囲気ではないですね。
赤外フォールスもう一丁
熱赤外のバンド10をネガポジにして、夜間と似たような組み合わせ処理してみます。
バンドはB7赤、B6緑、B10ネガポジで青着色。画像の解像度は10m/pix。
夜間風画像
高温部だけを主に抽出する減算処理を挟みます。
バンドはB7赤、B6緑、B5減算。画像の解像度は10m/pix。
火砕丘と西側の海岸線の間には溶岩流が完全に見えないステルス事態になってます。
位置合わせ
パンシャープン画像に当方でこしらえた等深線、暗礁図、旧島海岸線、そして参考の海岸線に位置合わせします。スケールは図示。
小夜浜暗礁のうち南側にある1本は埋まったのを確認できます。
溶岩流画像乗せ
海岸線も随分変わった中ですが、小夜浜暗礁の大きなものに陸地が乗ったので溶岩流画像も乗せてみます。スケールは図示。
赤色立体図のせ
千葉先生の赤色立体図に乗せます。
バンドはB7赤、B6緑、B4減算、背景は赤色立体図。画像のスケールは図示。等深線は10m毎。
赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月9日に測量した2.5mDEMのものです。
http://arukazan.jp/twentytwenty-master/index.html
判読です
今回高温の光点は西の海岸線付近、そして火口に2分されました。そして今回は北側の流出口が火砕丘の斜面に明瞭な光点として見当たらないのがポイント。また南側の流出口も有るような無いようなレベルです。
火砕丘が真っ赤なのは、高温の火砕物を万遍なくばら撒いているからでしょう。
6/22同様、溶岩流の先端活動は西海岸で熱いようです。西之島の溶岩は溶岩トンネルを流れるものの、供給が止まればトンネル内の動きも止まり、空洞のトンネルは残らないとされていますから、流出口が見えなくなっても火口からの溶岩の流出は続いていると言えそうです。
海岸線は6/22に比して扇状地の中で西に進延しました。主に伸びたのは北側の光点付近で、50m程度です。
判読は以上です。コメントはお気楽にどうぞ。
H290622ランドサット8の捉えた夜の西之島
霞みのはしに西のしまみゆ
先行して画像のみ公開していましたが、記事としてまとめました。
ランドサット8のデータはUSGSのEarthExplorerからです。
当日の雲の様子を紹介するのに、ちょい遠景からUPします。
画像のバンドはB10青着色、B7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は30m/pix。
高層に薄霞のような雲があり、透けて2本の噴煙と2か所の熱活動が確認できるという状況のようです。
以下いつもの拡大画像で、火映の表示からです
画像のバンドはB10青着色、B7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
西側の海岸付近に、今回最も高温と捉えたB5の白い輝きが見えます。火口付近に並ぶ3つの輝きが印象的です。高層の雲には噴煙のような火映はほぼ届いていないようです。
溶岩流の表示
夜間に肉眼視した光景に似せて高温部を処理します。
画像のバンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
上の画像に2017/6/10のランドサット8から日中画像のB8を背景に置き位置の確認をします。
画像のバンドはB7赤、B6緑、B5白、2017/6/10のB8が背景。画像の解像度は10m/pix。
6/10との位置関係はおおまかこの形で。
位置合わせ
とうブログで提供しているお手盛り等深線(一応根拠あり)に暗礁図、参考海岸線らを溶岩流画像を乗せると、このようになります。スケールは図示。
小夜浜暗礁に最も輝いた光点が乗ってしまった。これは埋まった~。
赤色立体図乗せ
位置合わせ画像に千葉先生の赤色立体図を乗せます。
バンドはB5青、B6緑、B7赤、背景は赤色立体図。画像のスケールは図示。等深線は10m毎。
赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月9日に測量した2.5mDEMのものです。
http://arukazan.jp/twentytwenty-master/index.html
後付けですが判読です
6/10の日中画像と比べて活発に活動している海岸部分は西に拡大した位置にあり、水深30mの等深線を伺っている状態です。
火砕丘全体はB7の淡い輝きで覆われ、火砕物が飛び散って供給されていると思われます。
また火砕丘には北流出口、火口、南の小流出口が縦に並び、さながら三連星という姿です。各々流下する先に活動が見えませんが、活動位置に新展開はありませんから、北流出口以下は溶岩流のトンネル化が進行したことが見て取れます。また南の光点は高温だが少量の溶岩を表面に絞り出しているように見えます。
南の溶岩扇状地は、活動がほぼ見えなくなりました。同扇状地の西端にのみうっすらとB7の光点が確認できるのみです。
後付けになってしまいましたが、記事は以上です。コメントはお気楽にどうぞ。
H290610ランドサット8の捉えた西之島
火砕丘南腹から溶岩を噴出させた西之島
6/6の観測で西側に流下する新展開を迎えた西之島の活動。
6/10にはどのような経過を辿っているか確認する流れだと思われたが、そうは西之島屋が卸さず、火砕丘の南山腹から新規流出と相成った。
そもそもしばらく流下方向は安定するだろう、などと自分が不用意に言った直後から怒涛の新展開コンボを繰り出してきた西之島。ええいそれまでの安定っぷりは何だったのか。読めないぜ。
2017/6/10ランドサット8の日中画像
ランドサット8のデータはUSGSのEarthExplorerからです。
ダウンロードに4時間もかかった。
パンシャープン画像
パンシャープン画像のバンドはB1青、B2青、B3緑、B4赤、背景はB8。画像の解像度は10m/pix。
自分の処理はイマイチだけども、撮影自体は綺麗に撮れたものです。
湯気が出ている海岸線は西側の溶岩扇状地先端付近のみですね。
サーモグラフィー
熱量を確認するバンドはB10。画像の解像度は10m/pix。
火口の西側にも伸びていますが、南側にも熱があることが見えます。
フォールス赤外
溶岩流を確認する画像です。
バンドはB6緑、B7赤、B5青、B8で比較明としています。画像の解像度は10m/pix。
南側からもキタ!ですね。
夜間風画像
減算して夜間風の画像にします
バンドはB7赤、B6緑、B5青、B4減算。画像の解像度は10m/pix。
中央の火口に噴煙が出たばかりのようで、噴煙の中心が減算されて黒くなっています。 B4で輝いている湯気や高温の噴煙は引き算に回ってしまうので。
位置合わせ画像
海底地形図と、海岸線は東半分が平成27年9月ごろ、拡大部分は5/2の海保の海岸線を乗せます。画像のスケールは図示しそびれましたが追加しました。
赤色立体図乗せ
夜間風画像を千葉先生の赤色立体図に乗せます。画像のスケールは図示です。
赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月9日に測量した2.5mDEMのものです。
南側の火口位置が気になっていたのですが、これではっきりしました。
判読です
風向きもよく熱活動はほぼ網羅して撮影できた日中の撮影。ランドサット8の西之島観測においては代表的な写真の候補になると思います。
ここで読める西側の溶岩流は中段でカクリとカーブし、小夜浜を分断した溶岩扇状地の南湾入部を浜とともに埋めました。これで残る小夜浜はわずかに残る旧島北西部にある100m程度の場所のみとなりました。
火砕丘付近では今まで同様、第7火口とその北側の溶岩流出口は健在。特に北側流出口は最も高温だったと思われます。
南に開口した溶岩流出口は出口付近こそ熱いものの、平坦地では伸びほどに高温ではないようです。レートが大きくない状況かと。
火砕丘付近の熱源部分を拡大した絵を下に用意していました。2000年代の日付と火口名を表示しています。
今回開口した南側の溶岩流出口は、2015/11に出た溶岩流出位置に当たります。ここは遡ると噴火当初南火口と言われていた場所であり、平成噴火を始めた場所でもあります。
下は2015年にちょろっと出た過去記事です
さて今回の記事はこの辺に。コメントは気楽にどうぞです。
H290606ランドサット8の捉えた夜の西之島
新展開に入った西之島
先行して画像を上げていましたが、南西方向に太い流れを作っていた西之島の溶岩流は、第7火口のすぐ西側で方向を変え、西へと向かう姿をランドサット8の夜間撮影が捉えました。
データはUSGSのEarthExplorerからです。
サーモグラフィー
追記:前回取り組んだサーモグラフィーを追加します。
バンドはB11。グラデーションマップ張っていないので、下の文字列から精神力で読み取ってください。
温度低い:紫-青-緑-黄-赤:温度高い
また輝度温度も分からないので体力で判読してくださいね。
火映の表示
バンドはB10ネガポジで青着色、B7赤、B6緑、B5高感度で青。画像の解像度は10m/px
雲がイマイチはっきりしていなかったので、B10のネガポジ青を着色としました。
火映の表示はもう一枚。
バンドはB10青着色、B7赤、B6緑、B5高感度で青。画像の解像度は10m/px
夜間の雰囲気はこちらの方が出ているかなと思います。
溶岩流画像
バンドはB7赤、B6緑、B5高感度で青。画像の解像度は10m/px
第7火口、そしてそのすぐ北側にある流出口は白く輝き、火砕丘を回り込む様子が見て取れます。南西方向に見える溶岩流はなく、溶岩トンネルの出口のみ扇型に輝いています。
2017/5/25の日中画像に乗せます。
バンドはB10ネガポジで青、B7赤、B6緑、B5高感度で青、背景は5/25のB8。画像の解像度は10m/px
日中の噴煙に騙されないように判読してくださいね。
位置合わせ
海岸線が確認できたところで位置合わせです。
溶岩流の脇にある黒い点は、よく分からないのですが、高温の溶岩流がある画像で見かけます。なんじゃろうか。
赤色立体図乗せ
位置合わせ画像に千葉先生の赤色立体図を乗せます。
バンドはB5青、B6緑、B7赤、背景は赤色立体図。画像のスケールは図示。等深線は10m毎。
赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月9日に測量した2.5mDEMのものです。
http://arukazan.jp/twentytwenty-master/index.html
すでに新しい溶岩流は更新された地形の上を流れているため、赤色立体図をもってしても展開を読むことは出来なくなっています。心で上塗りして読んでください。
判読です
見ての通りで西方向にメインストリームは流下方向を変えました。
今は新しい西側の溶岩扇状地の南端に向かっていて、先端は海岸に到達したばかりのようです。流路は西之島の旧島南台地より離れた位置を通っていて、旧島に居座る海鳥たちに今すぐの影響は無いと思います。
南西方向の溶岩流は溶岩トンネル化して熱を先端部分でしか確認できません。すでに供給が奪われて先端部分の輝きも残り火である可能性があります。
今まで安定して流下していた何もない所から、急激に流路がカーブした理由には、溶岩扇状地末端の冷却による溶岩渋滞、そして溶岩堤防の決壊、その時周辺地盤が相対的に低くなってしまっていた事が考えられます。
周辺地盤は想像ですが、再噴火当初の高温の溶岩が生み出した、比較的平坦な地形状況と思います。旧島方面も状況は同じはずですから、いつ溶岩流が旧島南台地向かっていってもおかしくはない、そう思いました。
もはや南台地には祈る以外の防護策はないようです。
今回の記事は以上です。
すでに頂いておりますが、さらなるコメントもお気楽にどうぞ。