閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

H290731ランドサット8の捉えた夜の西之島

今回は台風直前スペシャル!ではないですが、ディジタルグローブ社の商業地球観測衛星ワールドビュー2号(WorldView-2)が、2017/7/30に西之島を撮影したサンプル画像を処理しましたので、海岸線の変化確認の意味もありご紹介します。


WorldView-2は宇宙技術開発株式会社、SEDで概要が紹介されています。

ワールドビュー2号(WorldView-2)衛星・センサの概要 宇宙開発と共に 宇宙技術開発株式会社 衛星画像データサービス 地球観測衛星画像・衛星写真・映像・素材 衛星データ解析と販売

サンプル画像データは下記サイトから。

https://imagehunter.apollomapping.com/

 2017/7/30のデータは2枚あります。雲や噴煙がずれて乗っているので、比較暗を使うところですが、2枚ばかりなので乗算で被せて処理しました。

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無駄にでかいけど勘弁。解像度は4.208m/pixくらいかな。本来は超高解像度の衛星ですから、大迫力の画像なんでしょう。

今後比較したいので、参考までにいつもの位置合わせ画像に当てはめて乗せておきます。

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夜雲の下に

さてランドサットウィークも最終撮影日ですが、台風5号の迫る中、薄そうに見えて強力な雲が西之島には乗ってしまいました。

データはUSGSから。

https://earthexplorer.usgs.gov/

 

今回はB6やB5には感が無かったので、基本的に西之島は見えていなかった状態と思います。

画像はネガポジのB10青着色。超高感度B7赤と、超高感度で足切りしたB7緑。

とりあえず広範囲表示にして、画像の解像度は120m/pixです。

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まるで雲を育てているような西之島です。台風のふー子を育てている最中の、のび太君の気持ちで見守ってほしいですな。

 

で、これを拡大すると以下の感じ。

いつもより縮小して画像の解像度は15m/pix。ランドサット8本来のB7解像度は30m/pixですのでこれでも拡大してはあります。

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サーモグラフィー風合い画像

B10をサーモグラフィーで表示します。画像の解像度は15m/pix。グラデーションは今回も胆力で読み取ってもらいたい!

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なんつってこれではなんも分かりませんな。熱があるようには見えないわけです。

 

次はいつもの溶岩流画像に近い雰囲気で。

超高感度B7赤と、超高感度で足切りしたB7緑。画像の解像度は15m/pix。

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感度があったのはB7だけなので、無理やり画像だと思ってください。

 

2017/6/26の日中画像B8に上の溶岩流風味画像を乗せましょう。

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おお、なんかそれっぽいぞ!西側溶岩扇状地の活動域は健在という事かな。

 

だけど今回はここまで。いつもの火映の表示なんてレベルではない、超超~高感度画像過ぎて活動の判読はおこがましい。

今回の西之島はちゃんと活動している、という御意向であるという事で皆様、ここは忖度してやってください。

 

使い方変?

 

ええい記事は以上です!コメントは忖度不要で!

H290728ランドサット8の捉えた西之島

海から西之島を撮影

最近は海から撮影された素晴らしい画像も沢山紹介されてきました。少しずつ紹介したいと思いますが、今回は2017/7/21の明け方に佐伯克人さんの撮影された美しい西之島です。

データはこちらから。

佐伯克仁 | Facebook

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西側の溶岩扇状地から湯気の立つ様が写っています。中央の火口は南南西に向かう傾斜となっているようですね。

 

今回は雲隠しに見舞われた西之島

さて前回の日中撮影は大事な熱活動を噴煙で隠していましたが、今回は雲、スポットで来ましたよ~熱活動域は外したモノの雲の影に入れてくれました。残念。

データはUSGSのEarthExplorerからです。

https://earthexplorer.usgs.gov/

パンシャープン画像

台風5号が東北東にあって迷走している状況の中、うねりが浜に押し寄せて海岸線は広い範囲で白くなっています。

バンドはB1青、B3緑、B4赤、背景はB8。画像の解像度は10m/pix。

 

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 フォールス赤外線画像

バンドはB7赤、B6緑、B5青、B8の低感度画像で減算して海岸線に特徴を表示しています。画像の解像度は10m/pix。

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夜間風溶岩流画像

バンドはB7赤、B6緑、B4減算。画像の解像度は10m/pix。

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サーモグラフィー画像

バンドはB10。画像の解像度は10m/pix。グラデーションは根性で読み取ってください。

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位置合わせです

画像はパンシャープン画像。水深は海保の海底地形図から、海岸線は国土地理院の12/20測量のデータから。赤いのは平成噴火前の海岸線です。

 

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火口に噴煙が留まっていないため、すり鉢が見えているようです。

溶岩扇状地は若干大きくなっていますが、6/26海岸線からの変化量としては小さいですねー。

今回は海岸線の内側まで入り込む波浪が気になりますが、低感度の画像ではほぼ海岸線の通りの地形が浮かび上がりますので、大きく変化しているわけではありません。

夜間風位置合わせ

夜間風に仕立てた溶岩流画像を位置合わせさせます。

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判読です。

この画像からは火口はすり鉢の形状も見え、火口の直径は80m程度と読みました。

また西側溶岩扇状地は日中画像においても先端部分が水深50mの位置に掛かりました。この位置での拡大は斜面形状からも遅くなると思われます。

ところで溶岩流がトンネル化されたころから最近にかけて、面積の拡大が遅い気がしていますが、ざっくりレートの計算をします。

6/26に比べて面積の増大は40000m2、埋めた場所の平均水深が35m、そこに乗った平均標高を10mとします。経過32日で1日当たりの平均流出溶岩量は5.6万m3/日。全量がこの場所に来ていると思いますので、これが噴出率になります。

20万m3/日程度あった5月と比べるとレートは落ちていると言えそうです。

一度レートが落ちると、溶岩トンネルは狭くなると思われます。今後噴出率の増量変化に溶岩トンネルが耐えられず新展開、というのは十分に考えられますので、留意して見たいところ。

 

記事は以上です。

 

H290724ランドサット8の捉えた夜の西之島

太平洋の灯台といえば西之島

夜間撮影は今回も好調、雲の影響なく西之島は撮影されたようです。

ストロンボリ火山はその活発かつ継続的な活動から地中海の灯台と呼ばれていましたが、昨今の西之島の火山活動も遜色なし、ここは灯台として名乗りを上げてもらいたい、そんな風に思っているこの頃であります。

データはUSGSのEarthExplorerからです。

https://earthexplorer.usgs.gov/

 火映の表示

活動部位は中央火砕丘の火口、そして西側の溶岩扇状地ですね。
火映は南西の雲を照らすものが見えますが、活動部位の観測には影響なしと。

画像のバンドはB10青着色、B7高感度の赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。

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溶岩流画像

画像のバンドはB5白、B6緑、B7赤。画像の解像度は10m/pix。

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サーモグラフィー画像


B10やB11の熱赤外画像の解像度は100m/pixなので、仕上がりはぼんやりとしたものになるのが特徴ですが、噴火再開後の台地はうっすらと熱を帯びているのが見えます。
バンドはB10。画像の解像度は10m/pix。

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 日中画像乗せ

溶岩流画像にB10のネガポジ青着色と6/26撮影の日中画像を乗せます。

画像のバンドはB10青着色、B7赤、B6緑、B5白、B10ネガポジで青着色。画像の解像度は10m/pix。

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 位置合わせ

ランドサット画像のバンドはB10青着色、B7赤、B6緑、B5白、B10ネガポジで青着色。

参考の海岸線はベージュで2015/11頃、5/2の海保、6/26のランドサット8。緑と紫の等深線は海保の資料から。透過緑ペイントで暗礁図。等高線は国土地理院の12/20データから。スケールは図示。

 

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火口の位置を見るとパス205の撮影位置が若干北にずれる傾向にあるのではないか?と思っているんですが、確証が持てないため据え置いています。

赤色立体図乗せ

 溶岩流画像に2017/6/30に国土地理院の平面図から千葉先生が作られた赤色立体図、通称ロボ西之島に乗せます。
例によって国土地理院の図は0.5度回転してありますよ。

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判読です

溶岩流は完全にトンネル化され撮影では確認できない状態が継続しています。

火口からの噴火活動は活発で、火砕丘はほぼ全体的に高温の火砕物が撒かれている状態です。

海岸線の位置の活動領域は2017/7/15の夜間画像と比べると、ほぼ変わっていません。変化量は若干20~30m程度の進延があるようです。

旧島の前面に当たる場所を埋めているので、慌てずゆっくり活動してもらえればと思う次第。

 

記事は以上です。コメントはお気楽にどうぞ。

H290715ランドサット8の捉えた夜の西之島

2017/7/11海保撮影の西之島 

海保の撮影した7/11の画像がありましたので、紹介して貼り付けます。

http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KIKAKU/press/2017/20170714-1.pdf

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こちらは赤外線による撮影

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西側の溶岩扇状地から火砕丘方面を見ていますね。

さてランドサットウィ-クも最終日、7/15の夜は高層雲にも影響を受けずに綺麗に撮れました。ちょうど上の画像のような活動位置となったようです。

 

データは産総研のランドブラウザーからです。

http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html

先ずは火映画像

画像のバンドはB10ネガポジで青着色、B7高感度の赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。

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紫色の火映が噴煙を彩っています。新展開はないようだ。噴煙による情報の出し惜しみもほぼナシと。

溶岩流画像

画像のバンドは、B7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。

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日中画像合わせ

画像のバンドはB10ネガポジで青、B7赤、B6緑、B5白。日中写真は2017/6/26のB8。画像の解像度は10m/pix。

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位置合わせ

海保の海底地形図を購入しましたので、等深線を更新しています。

相変わらずの作業速度なので更新最中ですが、乗せて位置合わせといきましょう!

 日中画像合わせの画像に10m毎等高線、暗礁図、平成噴火前海岸線、5/2海保画像と6/26ランドサット8の増加した海岸線です。スケールは図示。

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水深50m付近までを清々しく埋めておりますのう。

 

溶岩流画像合わせ

今回はトンネル化してしばらくたつので、トンネル化前に使用されていた溶岩流をちょいと図示。スケールも図示。

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現在主流の溶岩トンネルはこの中で一番北側のルートのようです。これが南側の小夜浜暗礁を超えた位置から高温源が広がっていますね。

赤色立体ロボ西之島図合体!

久々に下地の赤色立体図を更新しました。こちらは2017/6/30に国土地理院の平面図から千葉先生が作られた赤色立体図、通称ロボ西之島です。例によって0.5度回転してあります。

西之島の火山基本図

噴火後の西之島の地図を地理院地図より公開しました|国土地理院

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赤色立体図の原図はこちらの記事で紹介しています。 

 判読です

火砕丘付近の熱活動に大きな変化はありません。7/12に東側山麓に見られた光点は確認できなくなっています。中央火口と西側の溶岩扇状地はB5の感もあり高温です。

西扇状地の旧海岸線からの張り出し距離は300m。全体が半円の形状にばってきました。

当方ざっくり算出の面積は(再噴火前+南西溶岩扇状地+西溶岩扇状地)の順で

2.718+0.118+0.137=2.973km2

3.0km2と呼べるでしょうが、3.00km2には未だ及ばないようです。

 

さて海保の海底地形図と火山噴火予知連絡会資料より更新した等深線。暗礁図とDP15m~20mにフィットしたので、もうウキウキだったんですが、問題は海保の海底地形図。東海岸沖に穴が開いておるんですよね。水深130mくらいの穴が・・。

他にも疑問点があるのですが、等深線問題はまた整理しますワ。

 

6月にはクルーズ船が3回訪問していることもあり、美しい画像がたくさん世に紹介されました。次回はその辺のまとめを入れたいと思います。

記事は以上です。コメント等はお気楽にどうぞ。

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.