R020131だいち2号の捉えた西之島
200131に撮影された、だいち2号のSAR解析画像が国土地理院からUPされました。
合成開口レーダーで悪天候でも地形を把握できる「だいち2号」。画像情報が白黒テレビ並みなのがじれったいですが、安定感は抜群ですな。
単純画像のGIFアニメも更新されていますよ。
このGIF画像の縦横比は縦長になってます。理由は分からない。
位置合わせする際はPDFデータの画像を参照しましょう。
「だいち2号」のレーダー解析では、地形の変化がないのなら毎回同じデータが得られるはず、という特徴から、様々な方法で地表面の違いを把握する画像処理が紹介されています。
有名なところでは下に紹介する干渉波処理でしょうか。
2回の観測データの波長を重ねることで得られる波長のずれを色彩化するもので、波長の長さ分で色合いは回帰します。おそらく。(;^_^A
上記地理院の資料から貼り付けます。
ここでは色合いに統一性が無くザラザラした模様になった範囲が変化があった場所、という事です。
しかしそこが見たい知りたいわけですが・・まるでモザイク処理だ。またか。
ええい!俺の見たい画像はなんでいつもモザイク処理されているんだ~っ!
ヌガー!!
フーウ、落ち着け俺。こんな時は昭和の深夜番組「砂の嵐」を見るんだ。
そういえば地上波デジタルになってからは見た事が無いが・・・
当方処理画像の紹介
紹介するのは上記サイトのPDFから得たものです。処理の前にコントラストを高めました。
この白黒画像ですが、高温の溶岩は黒く筋のように見える事があり、影なのか高温なのか毎度気になるものです。
砂の嵐
0117の画像に0131の画像を重ねて「微粒とりだし」の処理をしました。すると、「差の絶対値」とは違った差分が得られます。
変化の無かった場所はザラザラした砂の嵐の様に見え、しかし地形に変化のあった場所は有意な形状を見せてくれます。0131の画像を赤くしてうっすらと重ねたので紹介します。
この処理を読めば撮影間隔の14日間で海上に増えた面積が白く確認できます。
地上において明らかに変わった部分はなんとなく立体的に見える。
溶岩流もそうですが、火砕丘斜面の法尻の位置が三日月形に見えていて、法尻位置が変化したと読めます。
ただこの処理の注意点としては、立体に見える度合いが標高の変化を表しているわけでは無い事です。
簡単に言えば地表の勾配に変化があった場所が強調されている感じでしょうか。そのようにご承知ください。
gif解説
処理した画像から変化のあった範囲を七して、gifアニメにしてみました。画像は
200131だいち
200131だいち+溶岩流補助線
200131~200117変化図+溶岩流補助線
200126ランドサット8+溶岩流補助線
以上のループです。
火砕丘から北東方面に伸びる一筋の道。同じ場所の200117の海保の画像に想定外に高さのある尾根筋を確認していました。これは溶岩堤防化したものだと考えてます。
溶岩堤防の上部で決壊が起こり、東側などに流れたのが今回の大きな特徴でしょう。
1/26のランドサットは薄曇りでしたが、把握できた活動は限定的だったのかなと思います。
判読です
さてこの変化を測ってみると、法尻の東方向への伸延は26~28m。安息角を使用してそのまま山頂の高度に使用した場合は17m程度高くなりますね。法尻の標高に依存するので単純には行きませんが、少なくとも標高を得るためのポテンシャルは高まりました。
今回面積はあまり増えていませんが、 噴火初期と比べて、スコリア丘は著しく大きくなっています。溶岩は地上部の重ね塗り、特に火砕丘の変化に大量に使用されている状態が続いていると見ます。
特に私見ですが西之島の場合、海中に溶岩流の先端が到達すると、出口が冷却により詰った溶岩流は溶岩トンネル部の上方を押し出して地表に膨張亀裂を作り、非常に危険なクレバス地形を生み出すと考えてます。
今は新しく高温の溶岩による平坦化が進んでいるようなので、将来鳥が進出する事を考慮すれば喜ばしい事かと。
記事は以上です
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R020126ランドサット8の捉えた西之島
流下方向が読めないんぬ
1月26日ランドサット8の西之島島撮影は、高層雲の邪魔は入りましたがまあよく撮れた方でしょう。
そのデータはUSGSから。
下は20200126LANDSAT8撮影の西之島。
当日は高層雲に阻まれたので、BAND9で減算処理を行ってます。
最初はパンシャープン。B8背景、B4赤、B3緑、B1青、B9減算です。
お次はフォールス赤外。B7赤、B6緑、B5青、B8背景。
夜間風にしました。B7高感度赤、B7低感度緑、B6青、B9減算。
赤色立体地図合せです。
赤色立体地図はアジア航測の千葉達朗先生の発明した特許技術です。
だいち2号の1月17日データにも載せてみよう。しかしハードライトで!
判読です
怪しげな東方面への輝き。新展開が起きているようです。
しかし北東方面へ向かう火砕丘からの溶岩堤防ルートも健在。
今後は予測できぬ!
という音でまた報告は上げまする。
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R020121 ASTERの捉えた夜間の西之島
北方向に新展開(ちょっとだけ)なるか
20200117にだいち2号のSAR画像で写っていた新しい溶岩流の萌芽。
気になるところでしたが、4日後の夜間にASTERが熱画像で西之島を捉えていたので検証したいと思いますよ。
早速ASTERの熱赤外画像ですが、5つある熱赤外バンドを全て比較明で合成し、グラデーションカラーで処理したものです。
ASTERのデータはMADASから。
MADAS(METI AIST Data Archive System)
画像の解像度は15m/ピクセル
多少雲の影響があるようですが、よく映っていると思います。
合成相手は国土地理院提供のSAR解析画像(下)です。
上記の二つを載せ合わせただけだと色まみれになるので、CMYKで色分解して白黒にし重ねた、2種類の合成をUPします。
合成して変化を確認したい
最初に差の絶対値合成です
ちょと明瞭だけど難しいな。
お次は微粒結合です
ザラザラした下部分がSARの捉えた変化の大きい場所になるのですが、干渉波画像は上手に利用してみたいけど上手くいかないです。
SAR画像と合成して海岸線を確認
お次はSARの白黒画像と合成です。
海岸線部分と北方向に新しく出た溶岩の萌芽は、流れとしては歩みがのろいかもしれませんが、しっかりと広がっているようですね。
最後は赤色立体地図に乗せましょう!!銀河浜へ向かっている~~
赤色立体地図はアジア航測の千葉達朗先生が発明した特許技術です!。
判読
溶岩流出口の位置は変わらず、熱活動の目立つ末端は海岸線で主に2箇所。内陸部に新しく1か所となったようです。
海岸線は大きく変化していませんが、活発に海に流れ込んでいる状態です。
陸上部のあたらしい流れは、ゆっくりながら銀河浜の方に向かって行っているようです。このままだとまた一つ浜が消える・・・のか?
記事は以上です。
明日26日はランドサット8の撮影日です。
天候に期待して待ちましょうかね!!
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R020117西之島の標高を測定(その2)
横から撮影した西之島キタ!
衛星画像から見た感じで標高を宣言して翌日、海保から西之島を横から撮影した画像がUPされました!しかも同日撮影で。
しかも予想した山頂形状と違うんだけど。
ということで別な角度から恐怖の答え合わせと行きましょう~
画像は海保から
手法
だいち2号の画像をベースに補助線を適当に配置して、撮影方向と横断面を線引きします。
これを横からの画像に位置合わせして補助線のスケールをそろえ、頂上垂線の高低差を測りました。
はい、平均して頂上の標高は207mといったとこですね!
なんと210mに対して誤差1.5%程度で収まったとは。結果論には精度ありましたな。
まあ標高200mは固いでしょう。
なんてこれもお手盛りですので、今回はこの辺にして。
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