R020117西之島の標高を測定(推測)
手ぇぬるいっ!!あんな小島少し締め上げればすぐ標高を割るわい!
西之島が令和の再噴火して1か月ちょい。
皆さん興味あるところの山頂部標高がどうなったのかを伝えるニュースが無い中、SARの白黒画像と虹色の干渉波画像ばかりが手に入るこの頃です。
しかし誤差数センチと胸を張るだいち2号のレーダー計測なんだから、西之島の標高そのものの値が分かっているんじゃないかな~国土地理院さんは。
ええい!なぜ数字が出てこないんだ!くそぉ特務の青二才がぁ~ならばこうしてやるわい!えいっ!!こーーい!!つづけぇーーーーー!!!
ということで今回も遠く見果てぬ西之島へ、皆様と出発いたしますよ~
その前に!
番組、データ紹介
サイエンスZERO「2週連続 探検!火山島“西之島”PARTⅡ」
1月19日午後11時30分~ 午前0時00分です
各方面からの西之島観測情報が盛りだくさん、定例の会議資料です。 西之島はその4、その8に載っています
気象庁の分は、こちらの方が最新ですね
12月の活動状況はトータル下図のような感じでしたよ。
ちなみに同期間、当ブログにおける表示回数は下図のようになってます。
ほぼ同じデータだが、最近は西之島の勢いに付いて行けていない?
ネタ元は
2020年1月17日だいち2号観測によるSAR解析画像です。
海岸線の変化も気になりますが、火砕丘が大きく膨らんでいくように見えますね。
実は火砕丘のようなスコリア山は、安息角の測定方法にほぼ近い方法で成長するため、
水平距離が分かれば高低差も分かるという関係にあります。
位置合わせしてから計算に入ります!
ざっくり計算の根拠
画像から火砕丘の縁部すなわち法尻が2018年1月17日国土地理院のデータと比べて、80m程度は広がったと読んだ自分。そこから2018年の標高を起点に、火口の高さを求めてみました。
このとき西之島の火砕丘において安息角の値は33.6度とします。
下の断面図はアジア航測の千葉先生が公開していた西之島の経年変化をプロットしたものです。再噴火前の西之島の標高はここで160m程度でした。
そこに自分の解読結果を載せるとこのような感じです。
西之島の標高を不用意に打電する
上記の結果から、西之島の今の標高は210m\(^_^)/です! のーー!!やったぞ!!
とはいえ現在噴火活動によって標高は上がったり下がったりしている山頂部でしょう。
今回は甘々の測定からざっくりと出したものです。しかし山頂部は標高200m程度を伺っているのは間違いないでしょう。
標高が高いと何かいいことが?
噴火が収まる頃には大穴が開いてしまう傾向がある西之島ですが・・・標高が高ければ雲霧を集めて山体に水が供給されるようになります。
山は大きいほうが保水力が高まる。そして地盤が保水していれば地表面の温度変化も小さくなるのだ。
生態系の成長に高い山の存在は重要な意味を持つので、是非とも頂は高みを目指してほしいですね。
ということで、横から見た画像分析ですらない標高決定方法。これは重要な機密データですが、今回はドーラに出し抜かれる覚悟で不用意に公開いたしました!
閣下の秘密が解読された!
聡明な読者方はご存知ですが、自分が敬愛しHNをお借りしているモウロ将軍閣下。
今回は彼のセリフを無理やりねじ込んで記事にしてきましたが、彼の魅力を紹介する素晴らしい記事がhatenaにありましたので、紹介したいと思います。
以上です。
ではコメントはお気楽にどうぞ!
R010110ランドサット8の捉えた西之島
令和噴火前の海底地形図
令和再噴火で海面埋め立てがさっさとはじまり、どこがどうなるのか、元の海底地形図が古いと納得いかないという諸兄もおられるかもしれんと思いまして、というか自分が納得いかんということで、皆様ご存知、アジア航測の千葉達朗先生から頂きました赤色立体地図とジョイントいたしましたのでUPします。
主経線が赤い部分は完全に自分が手心を加えた等深線になります。
他は海保からリリースされた海底地形図を断片的に読み取ったモノになっています。
緑色は暗礁図です。懐かしいですが、もう北側の僅かな部分しか残っていないですね。
西岬の暗礁は12月に旧島に迫った溶岩流にほぼ覆われた状態です。
番組の紹介です
「サイエンススタジアム2019 探検!火山島“西之島”」
再噴火前の2019年9月に西之島に上陸調査が行われたはずなので、この番組で紹介されると思われますが、西之島にゴキブリが繁殖しているという大変テラフォーマーな話題もあります。
ワモンゴキブリか~でかいんだよなあ・・・。
Gはさておきランドサット8
冬場は雲が流れてくることが多いと思っているのですが、今回はなんとか西之島の火砕丘や中央火口の噴煙、そして北東に伸びる溶岩流が健在であったことが確認できました。
データはUSGSからです。
https://earthexplorer.usgs.gov/
パンシャープン画像
B4赤、B3緑、B1青、B8背景。さらにB8低感度を雲の減算に使用しています。
フォールスカラー
赤外線バンドによる偽の色付け画像です。
B7赤、B6緑、B5青。
夜間風
上の画像をB4で減算しています
雲が残ってしまいましたな~。でもB7の赤い輝きを消したくなかったもんで。
熱赤外画像
B10、B11を重ねて比較明で合成したものをグラデーションカラーにしました。
サーモグラフィー画像にしようとしたのですが、PCが変わってグラデーションデータ見失ったのでこれで勘弁です(;^_^A
お次は夜間風画像にB8を背景として、溶岩流の画像です。
さて前回に続き、バンド5での溶岩流の輝きが流出口の位置で確認できました。
日中画像では珍しい事なので、BAND5の画像に旗揚げだけしてUPしてみます。
ほんのわずか見えていますが、これは高温である事の証なのですな。
赤色立体地図の載せ
夜間風画像を赤色立体地図に乗せます。
すっかり活動領域が海に出ましたね~
判読
北東へ流れた溶岩流の流出口位置と、上流の流路は変わりがないようです。
下流に行って溶岩扇状地のうち東側寄りが再度主流になっていますが、今後も主流は振り子のように動くかもしれません。
旧島付近には熱源がほぼ消えました。余熱レベルの状態と思われます。溶岩扇状地も浸食され、浜の形成が進み始めているように見えますね。
とりあえず以上です
コメントはお気楽にどうぞ~
西之島の令和噴火まとめ
新年あけましておめでとうございます。
令和元年が西之島の再噴火の年になったわけですが、令和2年も継続して噴火が続いていると思われます。
ということで、本年もよろしくお願いいたします。
さて西之島に関する番組と報告をこちらで紹介しておきます。
「サイエンススタジアム2019 探検!火山島“西之島”」1月12日、午後11時30分~ 午前0時00分
これは30分ですけど、再噴火を紹介することが出来るんでしょうか~
乞うご期待!
で、噴火前の9月にされた西之島上陸調査についての、前野准教授インタビュー動画
同研究所の噴火後の分析
【研究速報】ひまわり8号による西之島2019年12月活動の観測 – 東京大学地震研究所
西之島のSARデータ解析結果
アニメ化再び
さて噴火が再開した西之島は展開が忙しく、流下方向がコロコロと変わりました。
判読が疎かなままの記事が続きましたので、まとめるとこう!というものを用意するとアニメ化は避けられませんな!
国土地理院のだいちSAR解析を基に溶岩の流出範囲を輪郭付けし、これに12月中の衛星画像で確認できた赤外線画像を上乗せし、熱源を示したアニメです。
採用した赤外線画像は下記のとおり
20191204 ASTER
20191209 ランドサット8
20191213 ASTER
20191217 ASTER
20191225 ランドサット8
図中の日付のみの旗揚げは、SARの干渉波が途切れた輪郭です。
赤色立体地図載せ
12月25日のランドサット8の画像を、アジア航測の千葉先生から頂いた赤色立体地図に乗せます。
活動の収まった場所も若干黒く抜けていますので、12月中の溶岩の流下位置の地形が把握できると思います。
判読です
この北東側に抜ける熔岩流は、ランドサット8日中撮影のBAND5で明瞭に光条となっていて、今までの観測でも最も高温のものだと思いました。つまり活動はまだまだ続くと考えます。
恐らく北東方向への流下は継続したとして、水深30m程度の浅い海が広がっていますが、0.2km2ぐらいは稼いでほしい。その場合600万m3必用ですので、20万m3/日だと1か月くらいかかるかと。
また本当に奇跡的ですが、西之島の旧島が生き残り、周囲の活動も収まってきました。
恐らく調査隊のルートは失われ、海鳥の繁殖地として有望だった「西の浜」はほぼ無くなりましたが、種があればなんとかなるっしょ。残ってよかった。
そして自分としても旧島の存続は都合が良いのです。
というのも、2019年10月中旬にに小笠原を襲った台風の影響で、西之島の海岸線が随分変わってしまっている。とくに南側の浸食が激しい。
位置合わせの際にBAND5でキラリと光る旧島はランドマークとして重要なのです。
ということで後がない旧島、新展開をかいくぐり生き残ってくれ!
コメントはお気軽にどうぞ!
R011209 1年5か月ぶりに再噴火した西之島
赤色立体地図の最新版をいただきました!
ビッグニュースなので大見出しにしました。
赤色立体地図は今まで、発明者であるアジア航測の千葉達朗先生が各所でUPしていたものを使わせて頂いていましたが、今回本ブログは溶岩流と火口位置の解析のために~という理由で、なんと千葉先生に直接「最新版が欲しいんです」とお願いいたしました!無謀っ!!っなお願いでしたが先生には快諾いただきまして、あっという間に頂戴いたしましたのでUPいたします。
千葉先生有難うございます!
ということで、国土地理院の最新版DEM(181201)による赤色立体地図、出来立てほやほやのアツアツアチチであります。きっと本邦初公開?
本図の画像スケールは2.5m/px。赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です(重要)
西之島の噴火再開について
2019年12月4日、ひまわり8号が西之島から熱源を感知し、このデータからは噴火活動の活発さを占う輝度が非常に高く、噴火の再開が予見されてきました。
12月6日の段階で溶岩流の海への到達が確認されるなど、すでに本格的な活動となっています。
ランドサット8の20191209撮影データから、西之島の噴火活動を処理しました。
当日は薄い雲が上空にあり島の輪郭は不明ながら、雲を透過して熱活動を確認できました。画像は
・B7、B7弱、B6を、赤緑青と処理
・これをB4で減算して雲を除去
・最後の画像は別な日20190702に撮影したB8を下地にして載せています。
連続して貼りますよ。
赤色立体地図載せで判読
頂いた赤色立体地図は、判読に利用した補助線と共に載せ軽く判読です。
火口は完全に熱源となっており、東側の溶岩流出口も想定位置どおりの輝きを得ています。
火口を含む判読線は国土地理院の出した地形変化のデータから、明らかに大きく変位した範囲、すなわち溶岩流と思われる範囲です。
海に進入したと思われる場所には光点が確認できませんでしたが、東側の端部付近、そして火口から北西に向かう光源の位置を確認しました。
ここはオリジナルの判読補助線のアップ画像です。
右上方面の光点は明らかに熱源のもので、おそらく溶岩流の先端部です。
火口北西方面の光筋は悩ましい。
噴煙は南南西方面で、雲は高度がありそうです。
すると噴煙への火映ではなさそうなので、何らかの高温熱源があると思いますよ。
アップ画像に赤色立体地図を再度重ねますが、溶岩流範囲は今回確認できた赤熱範囲と整合性がとれました。
ということで画像からの判読は以上ですが、公式が東方面への溶岩流しか言及していない中、「北西方面にも熱源アリ」と無謀ながら申しておきますぞ。
今回はこの辺で。
コメントはお気楽にどうぞ!