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閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

西之島の昭和噴火と海底地形

西之島 ランドサット 成果資料

 西之島の噴火活動と信仰について

 平成の西之島噴火は活発ながらも爆発的ではなく、いつ報道陣が撮影に行ってもストロンボリ式噴火をしてボフボフ言っている。この安定感がまた魅力の内だと思う私ですが、西之島ウォッチャーの中には一定の支持を集める特別な信仰があります。

 彼らは死都日本の如く西之島が破局噴火し、海底カルデラ化する事態を望むという傾向があり、その嗜好を以て自分はこの宗派を凹教と呼んでいます。

 これは砂場で築山を造っていると突然一番下の子が山をズバーッと壊す、あの衝動と同じ動機と思われ、人の心に一定の割合である本能なのでしょう。

 そんな部分は自分も理解できる。 だが1も2もなくこの教えは邪教認定。

 ええい、凹教徒共にこの国を任せておけるものか!

 破局噴火反対っ。カルデラ化絶対阻止!!みんな選挙に行こう!!

 やらせはせん、やらせはせんぞーっ!!

昭和噴火を今夜、桃図クラブで

 詳細で新しい海底地形図が火山噴火予知連絡会の資料に登場し、背景地形図を更新してる自分ですが、浅い領域のデータが欠損しているので補填していました。

 この補填に利用していたのが以前に掲載した、ランドサットの画像から噴火前の西之島の海底地形を読み解くという記事。そしてその後の検証でこの方法が意外と精度高かったので、今回はその検討内容について報告したいと思いますよ。

  上記記事の赤-シアン配色画像に、西之島の暗礁図を載せます。

下の桃図はランドサット8による撮影日はH25/9/3。バンドはB1減算、B2シアン、B3赤。スケールは図示。

f:id:gravireyossy:20150412161807j:plain

 この図の処理では、暗礁があるような浅い場所は桃色に、深い海はシアンから群青に暗くなります。 今回の主役のこの図ですが、千葉先生の「赤色立体図」をオマージュして、「桃色海底地形図」、略して「桃図」とここでは呼称しますよ。多少無理もあるが、呼び始めると楽なのだ。 

 西之島の暗礁図は、自分が様々な空中写真、衛星画像から複数の時期に見えたものを図化してきたものです。

 この「見えるのだから浅い」の理屈で精度確認すると、暗礁の表示位置周辺はきれいな桃色に染まり、唯一の例外を除いて突出した暗礁、目立たない暗礁も丁寧に網羅されています。精度高いぞ。 

 そして唯一の例外の暗礁、図示しましたがこれは昭和噴火第2火口の痕跡の暗礁で、位置としては今回の平成噴火の第2火口、つまり平成噴火の活動中心部分でもあります。

 桃図では、底質が巻き上げられると水深が浅く見えるなどのノイズ傾向は出ていますが、浅いはずの場所が深く見えるという現象は他にもない。

 つまり実際にここは深いのではないか。すると色合いから最深部は30m以上、結構深いぞ。

 

 位置合わせに続きます。

 昭和噴火の桃図合わせ

 浸食されて姿を失った昭和噴火の西之島新島がこの地形を生み出したのだから、昭和噴火のベクターデータを載せれば何か見えるかもしれない。

 地形のベクターデータは昭和48/12/21のもの。出典は火山噴火予知連絡会の過去資料から。北方向は合わせました。f:id:gravireyossy:20150412103416j:plain

 何かが完全に一致!

 第一火口付近の海底地形ディテールは、火口も周辺の暗礁も桃図に踏襲されているようですが、え、S48/12/21の新島山体は昭和噴火の第2火口を中心に完全に凹っていたってことか?

 がびーん、異教徒共の歓声が聞こえてくるようだ。四面楚歌のようだ。

 

でも面白いので次。地形データは昭和49/3/14。

f:id:gravireyossy:20150412113907j:plain

ダイジョウブダイジョウブ、第3、第4、第5火口付近は無事だ。桃色万歳。圧倒的ではないか、わが軍は。

 

上出来過ぎるトレースだが、第4火口の東側に浅根が見える。もう一つ行くか。

地形データは噴火活動が終わった昭和49/8/3。判読の矢印を上載しました。

f:id:gravireyossy:20150412122318j:plain

 

 ここには第5火口の先の矢印とか、やり過ぎな気もしたがご愛嬌。

やはり第4火口東側の浅瀬は、溶岩流が海中に根を出したということか。

判読です

 このように昭和噴火が張り出した溶岩流も、この桃図では明瞭に痕跡を残している。水深が深くなると波浪による破壊力は漸減することもあり、昭和噴火の形状は海底に保たれていたことが判った。

 また溶岩流が海底で尾根を作っていたと判ったことは大きい。平成噴火でも同じ性状で活動していると考えられるから、斜面に流出した溶岩流も同様に尾根を形成していると思われる。

 昭和噴火の第2火口付近は昭和噴火の活動位置との一致具合から見て、火山活動に由来する凹地となっていた可能性が高い。

 

西之島の平成噴火の予兆をランドサット8が捉えていたのか

 第2火口付近は何故深いのか考察してみる。

 H25/6/28の海保の画像で確認した第2火口の暗礁は、周囲が陥没したかどうか判らないが、枝暗礁も見受けるしこの時点ではまだ凹っていなかったと思う。

 するとごく最近のH25/6/28からH25/9/3の間に、昭和第2火口周辺では深度20m級の凹イベントがあったと考えるのが自然。

 この凹地は西之島のH25/11/20からの平成噴火の活動中心でもあることから、これは平成噴火自体の予兆だったと結論づけた

 さてどうか。

 

 本当に凹ったのかどうかを、本来は複数のデータで確認したいのだが出来ていない。もう少し探そうとも思ったがここは不用意に情報発信するブログ、そんな気がするレベルでも言っちゃうぞという事で。

 

以上です。

 

 ついに凹イベントを積極的に認める記述をしてしまった。やられたよ、凹教侮るべからず。

コメントはお気楽にどうぞ。

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.