H270626 EO-1の捉えた西之島
測量調査中の西之島の動画が公開されました
海保が派遣した西之島の調査船「昭洋」が出航して1週間。天候の良い状況で調査船と西之島の写る動画が公開されました。
動画では中央の第7火口からの噴煙も濃いです。溶岩流出口である例のホルニトから、噴気が青く出ています。
これを見るとホルニトは意外と標高が高い位置にある。見た目通りの流出位置だとすれば、溶岩トンネルには高い圧力がかかっているのではないかな。
ところで6/30は西之島近辺でも地震もありました。
今度は西之島から40km位かな、震源は浅いところでM5.3とか。西之島と父島の間、小笠原トラフ側です。世の中揺れています。
解像度の高いパンクロマチック
EO-1衛星の画像は久しぶりにリリースです。
ランドサット8とほぼ同様の性能を持つEO-1衛星。モノクロの高解像度画像となるパンクロマチック画像の解像度が10m/pxと、ランドサット8の15m/pxよりも詳細なのが特徴です。
これは30m×30m角の面積に対してランドサット8は4ピクセルなのに対して、EO-1は9ピクセルと2倍以上情報があることになります。こんな僅かでも情報量が多ければ西之島のように小さな島では無視できない違いです。特に海岸線は違いが出る。
しかしそのEO-1画像、最近使えそうなデータが上がっていたのですが、上手く処理できず公開出来ないでいました。各バンドの画像を処理する際に気分任せで作業してきたツケなのか、恥ずかしながら自分の作業でEO-1衛星画像の処理はトゥルーカラーが上手くいかない。
海が赤くなってしまったり、噴煙が緑になったり。
しかしだが今回は!やっぱり上手くいかなかったけど随分マシに誤魔化したので、遠慮なく公開しますよ。
で最初に我流のパンシャープン画像。
B5赤、B4緑、B3青、B1背景。画像解像度は10m/px。
image sourced by USGS
色々やってなんとか青い海を取り戻したが、海岸線が虹色になってしまう。
気にせずお次はさらなる我流のパンシャープン画像。B1でスクリーンする際に微粒結合処理をし、明るさを加えました。
B5赤、B4緑、B3青、B1背景。画像解像度は10m/px。
image sourced by USGS
これだと容易に溶岩流を確認できるのではないでしょうか。というかその目的で処理。
さらにお次は溶岩流スペシャルのフォールスカラー画像。
B10赤、B9緑、B7青、B1背景。画像解像度は10m/px。
image sourced by USGS
海真っ黒だけど、フォールスカラー:偽物の色ですからお許しを。
位置合わせに続きますよ
位置合わせ
パンシャープン画像に海岸線を際立たせるために、多少暗くなっています。
バンド処理はB5赤、B4緑、B3青、B1背景。スケールはゼブラで図示。
image sourced by USGS
撮影角度の影響かな、標高の高い火口の位置は50m程度西に写っているようです。どうも衛星本体は若干東側からカメラを向けていると思いますよ。
お次は夜間風処理。
バンド処理はB10赤、B9緑、B7青、B6減算。スケールはゼブラで図示。
image sourced by USGS
火口の位置が若干ずれているだけで、他所を向かれているように感じる。
今回は昼間画像が良いので赤色立体図合わせは省略です。
判読です
さて今回は動画でも噴火活動も特段の変化はなく、順調に熱活動もあったと確認出来ました。
溶岩流は南東の溶岩扇状地に流れ出て、全体的に海進していると言えるでしょう。
溶岩扇状地の東側では湾入部が埋まり、海岸線が直線的になりました。この辺は地盤が悪い気がして心配な場所です。
さて・・解像度のわずか高い画像を得て、海岸線を追いかけてやる事と言ったらあれでしょう、面積測定。ここは浜込みで2.74km2と算定。
総面積3.0km2の大台が視野に入ってきたが、周辺の水深を考えるともう一度新展開が必要ですかね。
久々のEO-1衛星でしたが、やはり可視光は天候次第ですね。ほんときれいに晴れて堪能できました。
以前のEO-1記事は1月か。
綺麗には処理できなかったけど、遡って画像だけでもUPしようかな。
記事は以上です。
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