H290512ランドサット8の捉えた夜の西之島
2017-05-12 ランドサット8撮影の夜の西之島
5/9の日中撮影とともに、5/12も撮影は好天の中行われました。当日風はおそらく南南西の弱い風で、噴煙は微小だったようです。
おかげで夜間ながら、西之島の火山活動の全容を判読できる画像を得られました。
火映の表示
本データはUSGSのEarthExplorerからです。
バンドはB10ネガポジで青着色、B7高感度で赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
噴煙は火口付近から北北西に、火映として紫色に見えますが、量は少ないようです。
この画像では、熱赤外線であるB10をネガポジにして青着色していますから、高温部分が黒くなります。溶岩流によって海水が暖められて黒く流れている様子が見て取れます。
同じような組み合わせですが、熱赤外線をネガポジにしないで重ねてみます。
バンドはB11青、B10青着色、B7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
こうすると火映の部分は純粋に赤くなります。温度は低いのに、B7が輝いているのは、火映だという判断になります。
溶岩流の表示
バンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。
高温の場所はB5の白ではっきりします。溶岩流出口の位置で最も高温になるのが普通です。
日中画像乗せ
バンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix。背景日中画像は2017/2/18のランドサット8から。
噴煙や湯気の無い2017/2/14の画像が、とりあえず具合良いですね。
位置合わせです
海底地形図に溶岩流画像を載せます。
海岸線は西半分だけ5/2の海保の判読を基に更新しましたが、東半分は平成27年9月ごろのものです。中途半端でいかんな。
また海底地形のコンタは、流出している南西付近を重点に少し描き足しました。データは海保のモノからトレースしています。
コンターも海岸線も更新していたんですが、ファイルを壊してしまって残念。ぼちぼち作り直しますのでご勘弁を。
赤色立体図乗せです。
赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月19日に測量した2.5mDEMのものです。
http://arukazan.jp/twentytwenty-master/index.html
2017/5/2に比べて、南西部の溶岩扇状地は広がっていることがわかります。
判読です
溶岩流出口は火砕丘の北側で変化なし。温度はここが最も高く、B4の可視光赤でも微弱にですが感がありました。
主な溶岩流である南西方向の流れは、西頬付近まで乗り上げる形で成長しています。
海岸線は水深50m付近まで前進していますが、5/9の形状に対しては大きく変化がありません。活発な溶岩の流出が起きていると思われますが、海水温の上昇を伴うほどに、海底への流出がおきていると考えます。
また小夜浜から張り出した西側の溶岩流は動きを止めていましたが、海岸付近に光点が現れました。流れが復活したというよりは、溶岩膨張亀裂が成長始めたのではないかと思います。供給圧が高まれば、溶岩トンネルが破れて成長を始める可能性もありますね。
とりあえず以上です。
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