ASNARO-1の撮影した西之島+ランドサット8の赤外線H261112
解像度の高い衛星画像は有効活用しないとね
技術実証衛星ASNARO(アスナロ)-1の撮影した西之島画像が、今年の1月になって出てきてたと先に紹介しました。
ここでアスナロ-1の撮影日はH26/11/14~15と明確でないですが、雲もなく解像度も高い。数多くの報道陣が撮影していたが手に入らなかった、この時期の西之島の垂直写真。貴重な資料と言えると思います。
前回のアスナロ画像の紹介記事はこっち。
西之島・1静止画2動画3茄子 - 閣下が不用意に打たれたblog
こんなデータの出所を押さえている植月さんにあらためて感謝です。
というわけで今回の画像は解像度高くても白黒。ここは噴火1周年のあの頃のランドサットデータを乗っけて有効活用することにした。
アスナロ画像は方角縮尺不明ですから、まず溶岩流末端などをランドマークにして、方角を合わせます。
ほほう、この1周年の頃の西之島はなかなか良いプロポーションですね。バランスが良いというか。
アスナロ-1は、本来は2m/picの解像度でマルチスペクトルからカラーデータも撮影できるはずですが、この辺りは調整後でしょう。
SEDのアスナロ衛星諸元の紹介ページは下記に。
ASNARO-1衛星の概要・諸元 宇宙開発と共に 宇宙技術開発株式会社
続いて色を付けたりしますよ。
ランドサットからのデータを載せる
さてその上に載せるのは夜のランドサット画像からH26/11/12の夜画像。この日のデータです。
ランドサットの捉えた夜の西之島H261112 - 閣下が不用意に打たれたblog
アスナロ-1撮影日の2日くらい前の赤外線画像という訳ですが、この日の夜画像はなかなか明瞭。今回は下地ができたので再度、データの配合を操作しました。
先ずはB7赤、B6緑の2色配合で、アスナロの画像に載せました。 縮尺は・・・困ったな、3.313m/picぐらい。
この位置合わせは主火口からではなく、見えている溶岩流の形状と熱源を合わせました。衛星画像とは言え真上から撮影しているとは限りませんからね。
この時使った画像は下様なものです。B7赤、B6緑、そしてB10を青にして溶岩流の形状が分かるハードライトで重ねています。
この表示だと明るい場所を溶岩流と合わせて、上手く載ります。狙い通りという状況じゃないかな。
この頃は北側が賑やかだったんだなあ。
考察
夜間のランドサットのデータは、どれほど明瞭であっても熱活動しか表示できないし、それゆえ海岸線はいつも不明だ。 なので直近の海岸線を上載せして判読していたが、近い日付に良い画像がそろえば、合成そのものはごく自然にできると思いました。
そんなわけで各資料の間を補う今回の画像処理は、データの判読補助としては使えるのではないかな。
各放送局の撮影していた西之島の熱活動状況がこれで、まあまあ明らかになったと思います。そう思ってあの頃の動画を見てみるのも良いかと。
アスナロ-1は今後もデータを出してくれるんでしょうか
再度となりますがアスナロ-1は技術実証衛星という位置づけでまだ調整中、寿命も3年程度とされています。
運用も売り込み先あっての事になるでしょうが、白黒撮影の状態であっても、たまには西之島にお立ち寄り願いたいです。
この能力と技術の粋を、特定団体の利害関係が存在しない西之島で存分に発揮して貰い、大いに我々を感嘆させてもらいたいものです。
追記:新年の動画ニュースが来ました
最近は東の方に溶岩流が流れ始めていますが、やっと海保さんの撮影でニュースが出ましたね。
拡大続ける西之島 毎分5~6回噴火で、ドーム49個分(15/01/22) - YouTube
そうだな、気になると言えば南火口丘。お鼻の穴らが見当たらないですね。
南台地はギリギリセーフ?なのかな。西海岸は海岸線に黒い浜が広がっています。
溶岩流の熱源がランドサット通りとなりましたが、やはり新鮮だし、成長著しい。
海中の溶岩が冷却されてくるまで、しばらくはこの形状で流れる感じ。陸上で新たな分岐や溶岩トンネルの開口が起きるような展開はもう少し先かな。
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