閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

ランドサットの捉えた夜の西之島H270124

 

西之島の活発な溶岩流は東に広がる

 

 雲に弱いランドサットの撮影。撮影直前になると自分は気象庁の赤外線画像を見に行きます。雲に覆われてしまうと写らない中、降水確率よりもあてになる感じ。

 当日1/24は雲も少なく、絶好の撮影日和だったと思いました。そして期待通りばっちり画像が来ましたよ。

 

 ちなみにランドサットで得られるバンドと温度の関係は、下の「ランドサットを楽しもう!倶楽部」さんの投稿を参照してください。  

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 結構な高温でないとBAND7でも輝きとはならないようです。溶岩トンネルからは輝きが届かないのはこのあたりの問題だったんですかね。

 

 使用したバンドはB7低レベル青、B7高レベル赤、B6緑で処理。解像度は10m/pic。

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  北側にもうっすらと光点が見えますね。

 

 お次は位置合わせです

 大きく伸長し始めてしまった東側

 位置合わせは色数が多いとめんどくさいのでB7赤、B6緑で。

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 この海岸線はH26/12/25の海保から。H27/1/15のランドサットの熱源に位置合わせしています。 

 

 報道の中には水深10m程度の浅いところを埋めている、という言葉もありましたが、今埋めている場所はそこまでは浅くありません。

 そして既に溶岩流先端が水深50mの青いラインに活発な輝きが乗りました。これ以上伸びられるのかな?

 

海保の画像から火砕丘を確認

 火砕丘もどうなっているのか訝しんでいましたが、まあ富士山の形状を保っていました。しかし慣れ親しんでいた南火口丘が見当たらない。

 火口は大きく、スコリア丘の北東側が少し凹んでいる。こちら側でスコリア丘の崩壊があったからだろうか?H27/1/21の火砕丘。

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これが南火口丘があった頃、H26/12/04の3D図

 

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大流出があって火砕丘が急成長、中央火口が火口列だったころの火砕丘。H26/9/17

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 溶岩マウンドもある。ちなみにこの溶岩マウンドが1/24現在の火口位置。山体が大きくなったと思います。

 

判読です

 さて年末年始から火砕丘は変化し、溶岩流出口の開口を伴う活動があったとしてきました。

 判読しながら来ましたが、1/21の海保の観測は動画や写真もそろってなるほどという感じです。結果どうなったかというところですが、


 南火口丘周辺は火砕物堆積が一気に進み、本体火砕丘に呑まれた。

 火砕丘北東の窪地は、溶岩流出口の生成によりオッキ湾溶岩台地とほぼ同レベルまで埋められた。この溶岩流出口は1/24には天井に蓋がされたようで、熱源が見えなくなった。

 溶岩流は東耳をルートに旧の第5火口付近で溶岩トンネルを抜けて海岸線に達し、海中に広がってコブのように突き出してる。溶岩流の熱画像を見ると、海中に入った溶岩流はキノコ状に散開していて、11月に嘴ルートの先の海王暗礁付近で広がったコブと同じ展開となっているようだ。

 北側の溶岩流活動は停止しているでしょう。うっすらとある光点は冷え切っていないローブの先端が崩落し放熱しているんだと思う。 

 

 溶岩流先端が相当に熱いまま水深50mラインに達し、既に溶岩流の山体斜面直行が始まっていると思います。

 溶岩がもったいない気もしますがここは、こうなったらこの斜面に対してどのように形状が変化していくのか、どこまで埋められるのかチャレンジ、ということで今後が楽しみです。

 

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LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.