H270516 ランドサットの捉えた夜の西之島
H270514 静岡新聞社の捉えた西之島
今まで特に説明してこなかったけど、噴火活動を続けている西之島は東京都に属している。そして西之島の情報は本土と距離があることもあり、情報提供元は公的機関かマスコミキー局がメインだ。
そんな中なぜか西之島の陸地拡大の再開をスクープしたのが静岡新聞社。今までこういった事例はなかったと思うが、この素晴らしい偉業?を讃えたいです。
うち陸地拡大部分の南アゴ~東頬付近写真。ほぼ南側から撮影されています。
変色水のグラデーションも綺麗ですな。
そして下はその2日前、5/12海保撮影の西之島。撮影日は早いんですが、ちょっと公開が遅かったですね。ほぼ似たような南からのアングルで、2日間の変化もわかりやすいです。
最近の陸上部分の記事はこちら。
台風迫る中、撮影時の天候は如何に
さて5月半ばにして台風7号。いずれは西之島に上陸して大被害を与えるかもしれない中、ランドサットの撮影は順調、雨雲無く鮮明な夜間映像が公開されました。
画像はH27/5/16夜撮影の西之島。BandはB10ネガポジで青(着色)、B7高感度で赤、B6緑、B5白。画像解像度は30m/pic。
ここでB10の青はGIMPの着色コマンドを利用しました。色相240を当てています。雲が白く見えるので、より自然な感じに表現されてると思いました。
位置合わせです
上の画像に3/1の海岸線を載せました。B10ネガポジで青(着色)、B7高感度で赤、B6緑、B5白。スケールは図示。
島全体が熱を帯びているので黒く写っています。見えている噴煙に火映が重なる部分は、実態が理解しやすい感じに仕上がりました。
赤色立体図合わせです
3/1の国土地理院のDEMでできている赤色立体図。ここ最近海岸線に変化がなかった関係でほぼ最新の輪郭だったのですが、ついに変化が始まりましたかね。
利用画像はB7赤、B6緑、B5白。今回はB7の火映を弱めて溶岩流を確認しやすいようにしています。
千葉先生の発明した赤色立体図はアジア航測の特許技術です
火砕丘の裾の丸い形に熱が集まっています。噴出物の熱い岩がごろごろしている様子が伺えますね。
判読です
さて赤図でも中央の第7火口にばっちり乗った熱源。南東に向かう溶岩流はB5でも明瞭に輝きをみせるなど熱活動は活発だ。
赤池のあった東顎浜付近では海に達した溶岩流が、現況の海岸線から50m程度離れた位置から南側で陸地拡大活動をしている。5/14と比べると南アゴ方面への伸長がありそうだ。
比較的海岸線に近い位置で活動している岩扇状地の形成状況から、水深や海底地形と溶岩流の動向の関係に興味がわきます。 付近の水深は30m程度だったので浅くはないですが、この辺の実態は実物で判断したいところですね。
今回は島の北側に噴煙があったとはいえ、三角浜や銀河浜の東側に進出した溶岩流に熱活動があるような感じではありません。 北側の活動は止まった可能性があります。
記事は以上です。
今回は「天気が良いと苦労はない」そうあらためて思わせる一品でした。
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