H270608ランドサット8の捉えた夜の西之島
ランドサットウィークも最終日
小笠原諸島西方沖地震後も、これまでは順調に噴火している西之島。この地震をきっかけに沈静化に向かう状況を懸念しているわけで、この1週間の噴煙状況とランドサットの観測を注視し状況判読したいと思っていました。
ところが6/8の夜は気象庁の衛星画像からは濃い雲が来襲する動き。これはむりかなあと思っていましたが、なんとか雲の薄いところに入ってくれてました。おかげで無事に夜間画像を報告できる次第です。
さてここで紹介を
赤色立体図の千葉先生が発行しているweb紙に当ブログを紹介して頂きました。
ありがたいです。嬉しいけどなんか緊張する(^_^;)
熱赤外で雲を確認
気象庁ので画像で自分がすっかり悲観していた、雲が襲来している状況をランドサットの熱赤外画像でご紹介します。最近はまっている処理で、B10ネガポジでセピア色。画像解像度は240m/px
解像度を下げた分、いつもより広い範囲になっています。両サイドにランドサットの撮影幅が斜めの切欠きとして見えています。
さて西之島はどの辺でしょうね?ヒントはお次の画像で。
なんて言って、いやいやヒントになるのかなこれで。
西之島は上の画像では東の方、南北では真ん中よりちょっと南あたりにある黒い穴の付近です。
画像はB10ネガポジで青着色、B7赤、B6緑。画像解像度は30m/px
北方向に迫る雲の影響をギリギリ回避した西之島溶岩流の、中間長赤外が線香花火のようです。多少かすんでいますが、十分に判読できると思いました。
位置合わせです
火口付近は少しかすんでいるので先ずは単独の位置合わせをUPします。
画像はB7赤、B6緑。スケールは100m毎のゼブラで図示。
赤い中央火口より右上に見える黄色い溶岩流出口の方が、高温に捉えられています。中間点では溶岩トンネルも一部崩落しているのかな、中央火口の右下にも赤い点が見えますね。
赤色立体図合わせです
おなじみの赤色立体図合わせです。
この赤色立体図の元データは国土地理院の3/1に観測したDEMデータです。
赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です
少しアニメ化
5/23、6/1、6/5、6/8の、4日分のデータを用いてGIFアニメ化してみます。
ううーむアニメ化でアラが見えてきたな。位置合わせの上手くいっていない日が入ってしまった感じ。しかしこの程度じゃ作画崩壊とも言えまいし、まあいいか。
5/23の記事はこんな感じです。
判読です
アニメを混ぜて何が見たいかと言えば、ここ最近の拡大の状況です。喉笛の浅根に出た溶岩流は、見た感じ面積拡大方向に流出活動中といえます。
溶岩の供給が途絶えればあっという間に冷えてしまう溶岩流だが、この間は熱量を保持したままで火口流出口そして海岸線部とも輝きを観測でき、滞りなしと言えます。
そしてこの1週間の噴煙等も含めた注視による観測からは、心配していた「地震の発生を起点とした火山活動が弱まる傾向」は確認できませんでした。おっしゃ。
溶岩の噴出率は5/4に海岸線に達した日から、溶岩扇状地の成長に用いられた数量で海面下32m、海上10mとして19万m3/日と算定。陸上部残留分を含めば20万に乗るでしょう。2月頃より多いかもね。
溶岩の流出方向は安定期に入った感じです。今後若干の新展開はあるかもですが、一日当たりの量も多いし、6月いっぱいはこの位置で行くかな。
うーん、不用意に予言、言ってみるか。
7/20に新展開確認で小夜浜暗礁の南方向に再度向かう!
さてどうなるか
一応記事は以上です。
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