H270703ランドサット8の捉えた夜の西之島
海保の海底地形調査からの報道ありました
報道各社が同行している今回の海底地形等の調査。各社が足並みをそろえて、しかし各々に編集して記事にしてくれたので興味深かった。そのうちから一つピックアップ。
FNNの記事です。
夕日を背景にしたり、船ではないと見れない横から見た姿を「麦わら帽子」と譬えたり、良かったですね、しかし!
4000m級の山が海底にあるというこの図はいかんよ~コーヒー吹きそうになったよ。
ギアナ高地かいな~。
西之島の斜面形状は誤解も多いのですが、実際の断面の雰囲気ならばこちらの記事で 。
今後は富士山に似た感じのイメージでお願いします。
ランドサット8の搭載するTIRSセンサー
ランドサット8のセンサーの中で熱赤外線と呼ばれるバンドのB10とB11は、夜間でも雲を撮影してくれるので現場の雰囲気を知るためにも紹介するようにしています。
この2バンドは写る雲の位置がいつも若干違います。
撮影時刻の違いがあるのでしょうな、そもそもランドサットが上空でじっとしていないので、センサーが撮り終わる頃には視差が出るくらいスタスタと移動しているんだろう。
他のバンドも違いはあるのですが、似たような画像としては違いが大きいという、兄弟で出来の具合を比較されてしまう現象なわけです。その違いをアニメで紹介しましょう!
gifアニメですが背景のバンドをB10とB11に変えています。
使用したバンドはB7赤、B6緑。背景はB10及びB11を濃いシアンで着色し、アニメで切り替えています。
上空の雲はカクカク動き、低い位置にある雲や西之島は動きが少なく確認できるかと思います。
さてこの撮影、風は前後の状況から西之島付近で南東の風だったので、噴煙は光点の邪魔になっていないと推定。そして今回上空の霞は水蒸気としては濃いのかもしれませんが、西之島の熱活動はB7とB6で判読出来そうですね。
画像の紹介に続きますよ。
やはり新しい溶岩流で若干新展開含みで読み解き
H270703夜のランドサット8撮影の西之島。使用バンドはB7赤、B6緑、B5は強調して白。画像解像度は10m/px。
今回はB7やB6では色協調をしていません。これらは非常に明るい状況です。
位置合わせです
どうも若干とは言え新展開してしまったので、海岸線表示は手を入れました。
使用画像は上記図でB7赤、B6緑、B5は強調して白。これに国土地理院の3/1海岸線。追加して6/26EO-1の観測から海岸線。スケールは100m毎のゼブラで図示。
あれま、最南端からは殆んど熱が確認できません。それで慌てて海岸線を描いた次第。東方面に向かうのかなあ。
赤色立体図合わせ
新しい流出口が出来た、という表現も有り得る感じですので、赤色立体図に載せて確認します。
上記位置合わせ図に赤色立体図を載せました。
赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です
判読です
前回なんとなく圧力が高まっている点を指摘したりしましたが、今回何がしかの溶岩流出口が開口しました。この溶岩流の起点ではB5の輝きも確認。ここは相当熱いのか、B7、B6ではかなり高い照度でビカーンと光っている。
この光っている場所は報告されていた新しい溶岩流か、更に新しい溶岩流という事になるでしょう。やはり小規模ながら新展開になったようです。
新しく見える流出口は第7火口の真東に高温でる白い光点として見えます。近い方でも今までのホルニトから水平距離で124m南東に離れています。
この新展開の影響というか、南東の喉笛溶岩扇状地の最南端部は、あっという間に冷えてしまったようだ。行方不明とはいいいませんが、熱活動の光点は紹介できないほどに相当強調してもうっすらとしています。
また新しい溶岩流は恐らくタニシ池、メダカ池方面に向かっているようです。その距離あと100mチョイ。
新しい溶岩が南東の喉笛溶岩扇状地に向かうのか、東の頬方面に向かうのか、現在予断はできません。新しい流出口が単なるトンネル破れなのか、新たなホルニトを生成する流出口なのかで今後の展開は変わるでしょう。ここが知りたいですね。
一年近く踏ん張ってきたタニシ池、メダカ池。はたして池として君たちは踏ん張れるのか。
記事は以上ス。
コメントは気楽にどうぞ。