閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

H270719ランドサット8の捉えた夜の西之島

途中の経過から

下はH27/7/13午前10時過ぎに日本テレビが撮影した西之島のCAP画像です。火口縁に黄緑色の硫黄が見えるのと、火口そのものが大きく口を開けているのが分かります。火口の中には小火砕丘があったはずですが・・

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画像は下の記事から。

 この火口の大きさ深さ、内壁の急勾配、そしてホルニトに向かって沈下したような谷が見えて自分は心配だった。

ここにあった材料は何処に行ったんだ?吹き飛んだのか落ちたのか?

 新しい火口が横っ腹に出来たり不安定だったし、ここはとりあえず今後も溶岩流が継続して出ているなら、深く落ちたという事は無いだろうと考えました。

しかしその後しばらく天候は悪く、噴煙も確認できない日々が続きました。

台風一過でやっと晴れてきたところで

平成27年の7月19日の夜、西之島ではランドサット8の夜間撮影で、状況は少し雲がかかっている様子となりましたがまあ判読は出来そうです。

そして心配していた溶岩流は有りました。熱も十分。

あの大火口の生成プロセスは読めなくなりましたが、ほっと一安心です。

 

 

下はH27/7/19ランドサット8の夜間撮影の西之島近辺。少し広域にして様子を表示します。

バンドはB11濃いシアンで着色、B7赤、B6緑。画像解像度は60m/px

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 やはりB10とB11は雲の影響で、熱活動の様子を細部には表現できていないようです。この雲の表現でお役御免という訳ですが・・

 

ランドサットの捉えた夜間撮影画像を幻想的に仕上げよとか

 今回は溶岩出ていたし無礼講、いきなり横道に逸れて参りましょう。雲のある夜間の画像というのは中途半端だしね~。

バンドはB11青着色、B10青、B7白で微粒結合、B5白。画像解像度は10m/px

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「産声を聞く夜空」

 お次こちらはキャッツアイ星雲風で。

バンドはB11青着色、B7赤微粒結合、B7赤明度、B6緑。画像解像度は10m/px

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「囁ける夢の繭」

 そうは上手くいかないか。

さて今回利用しているデータはLandBrowserで取得。GISソフトはQGIS2.6。画像ソフトはGIMP2.8です。画像に加筆はしていません。

 位置合わせです

 さて位置合わせします。今回は中央の火口も見えているので、一応合わせます。

使用バンドはB7赤、B6緑、B5白。スケールは100m毎のゼブラで図示。

海岸線は3/1の国土地理院に加えて、5/15のだいち2号、6/26のEO-1からです。

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 耳当ての下の湾入部は明るくなっている。溶岩流で埋まったっポイですね。そして南方向への熱活動は見えません。

赤色立体図合わせ

上記の画像を赤色立体図に載せます。

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赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です

ひょろひょろと東北東の方に流れて行ってます。

判読です

 今回は特に熱赤外のB10,B11は雲に特徴を取られてしまいましたが、それでも中間長赤外のB7,B6は溶岩流の形状を把握できました。

 中央の第7火口と流出口付近はこの状況でもB5にはうっすら感があり、熱源の熱さを確認できました。流出口付近の熱形状は東方向への新たな流れも連想させ、また彷徨い始めたのかという感じもあります。

 今回溶岩流の連続が確認できるのは東部、東耳当ての付け根の部分への流れです。 また東耳当てと東頬の間の湾入部は溶岩流により埋まってしまったようです。ただここに対して溶岩の継続的供給があるのかは読めない。 

 また今回は雲と噴煙によって確認できない熱活動もあると思われますが、南方面への熱活動はまったく確認できません。

新展開の判定は如何に

 さて残念だが・・今日の段階で西に向かうような新展開を確認しているはずだった。

この間に小規模な新展開を挟んだが、さすがに東を西にと方角を変えるには至らなかった。予言外れて島と溶岩流あり、か。

しかしめげたり反省したり改善したりせず、また新たな挑戦を行う事にしたさ。

 

記事は以上です。

コメントはお気楽にどうぞ。

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.