H270912 ランドサット8の捉えた夜の西之島
火砕丘の南西方面に溶岩流が向かう小規模の新展開
当初ランドサットを楽しもう倶楽部の熱画像を見て、南西側に流出口が出来たかと思いましたが、火砕丘の山裾を廻る形で流れたようです。
http://landsat8.geogrid.org/public/nishinojima/2015.html
状況が変化したので今回は処理画像を先行してUPしていましたが、記事を追記しました。
概況画像です
撮影に支障となる雲は無く環境は良好。熱活動に漏れは無い今回の撮影ということです。
下はランドサット8撮影によるH27/9/12夜間撮影の西之島付近。バンドの処理はB10ネガポジ青着色、B11ネガポジ青、B7高感度で赤、B6緑。画像解像度は60m/px。
これも中々の仕上がりになりました。潮模様の様なまだらが見えますが、はてこれは何かな?自然の造形はきれいなものです。
火映の表示
上の画像と同様からB11の青を強めた処理です。
バンドの処理はB11青、B10青着色、B7高感度で赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/px。
この画像で噴煙や雲に浮かび上がる火映は、地上の熱源と違いピンク色に見えてくるので、なんとなく区別できます。
溶岩流の表示に続きますよ。
溶岩流の表示
溶岩流は下の画像で検討します。
バンドの処理はB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/px。
位置合わせ
海岸線を新しくしました。既にはみ出ているけども、そこは新しい陸地という事で。
画像のバンドの処理はB7赤、B6緑、B5白。画像のスケールは100m毎のゼブラで図示。海岸線は7/28の国土地理院データから。
赤色立体図合わせ
上記画像を最新の赤色立体図に載せます。
赤色立体図は7/28国土地理院のデータからアジア航測で公開されているモノです。ここでは溶岩流を確認するために赤色を緑色に振って利用しています。
赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です
判読です
前回ホルニトの北東を破いた新しい流出口は健在と確認した。しかし溶岩流の速度は遅く、末端は月原溶岩原への侵入に留まっている。
ホルニトのすぐ南東に空いた溶岩流出口、これは9/5に確認された喉笛溶岩扇状地への流れより50mほど北側に開いたと思われる。ここから連続する新しい溶岩流は火砕流の山裾を廻り、去年5月に生成したと思われる東顎浜直前の小さな溶岩台地に達した。途中第7火口の南側にはB5の高温光点が独立してあることから、この辺に新たな流出口がある可能性もあり、今後の観測時に注意をしてみたいところ。
東耳当ての南側に流出していた溶岩流は溶岩トンネル化が進んで流路は確認できないが、末端熱活動は面積的に小さくなったものの、B5に感がありまだ高温だ。
9/5に南東の喉笛溶岩扇状地方面に流れを確認した溶岩流は、B7でやっと痕跡を確認するのみだ。
溶岩流の消長が激しい状況です。海岸までの距離が伸びたことや、2階建ての流れ方をすることで熱が失われにくくなって、全体が平坦な溶岩台地になってきているのも彷徨い易さになっている様に思う。
北に向かう溶岩流のいる月原溶岩原は現在ほぼ平坦だが、ここに溶岩の供給が続けば南台地付近に流下するのではないか。ハート様穴方面と、ご神体方面の谷がルートになり易そうだ。
流量が減れば流下方向は変わるかもしれないが、踏ん張れるか。
記事は以上です。
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