H271007ランドサット8の捉えた夜の西之島
さすらいの衛星画像ハンター
さてランドサットやEO-1、だいち2号と紹介してきて、他にも衛星が撮影しているのか?という質問が最近出ました。もちろん狙われていますよ、西之島は。
前回紹介したUSGSのEarthExplorerは合成前の素材にアクセスするマニアックなモノでありました。だがさらなるメニアーックなものを紹介しようとしましょう。
すると意外や、簡単に確認できる調理済みの画像に出会えるんですねー。
世界の様々なシーンで1m/px以下などという解像度の高い衛星画像が販売されています。 高価な買い物なのでお店の前に置いてある、ランチの模型の様な商品サンプルくらいあります。これが狙い目です。
衛星の運用元毎にアクセスし、登録してからよく分らないGUIに付き合ってやっとその商品サンプルに出会えます。しかし登録とか検索とか毎回めんどくさい。
だが!数多くの商品サンプルというか試供品というか、そんなものがまとめて確認できるサイトを見つけました。時代はまとめサイトですな。
ここは弓と矢のアイコンがやる気十分、今度はエクスプローラーじゃなくハンターです。やはり愛の狩人って奴です。
高解像度画像を売るべく紹介しているので、商品サンプルも提供元によっては上等なクオリティーがあったりします。
利用方法は、まずアクセスしたら
- Search for Locationに「nishinoshima」と入力して検索。一発で西之島UPに。
- Resultsの撮影リストを適当にクリックすると低解像度のサンプルを見れます。
ここでShow FiltersからCloudCover(雲量)やOff-Nardir(撮影アングルかな)、Resolution(本来の解像度)のスライダーを調節して衛星や状況を絞り込むことが出来ます。
そんなわけで下はH27/9/27ワールドビュー2号の捉えた西之島のサンプル画像。
やるなサンプル画像。これは良いものですが、食べられません。
概況画像です
夜間画像の紹介です
2015/10/7夜間ランドサット8の撮影した西之島。バンドはB11濃いシアン着色、B10青着色、B7赤、B6緑。画像の解像度は60m/px。
雲もありますが、良いタイミングで撮影されたようですね。うっすらと島の輪郭が浮き上がり、なんだかきれいに仕上がりました。
火映の表示に続きますよ。
火映の表示
青で表示される冷たい雲と、赤で表示される熱が同時に存在すると、混合してマゼンタに染まります。そんな場所は火映であるという理屈でお届けしている画像です。
バンドはB11青着色、B10青、B7高感度で赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/px。
中央火口の西側に薄い雲か噴煙があるようですね。島が今回明るく見えるのは、海水温の方が高く、熱活動の無い場所は海水よりも冷えていると思われます。
溶岩流画像
今回の溶岩流画像はこちらです。
バンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/px。
この雰囲気が好きなんだよなあ。
位置合わせ
新しい海底地形の等深線がやたらと自己主張していますが、気にせずまいりましょう。
上記溶岩流画像に海岸線は7/28国土地理院から。スケールは100m毎ゼブラで図示。
赤色立体図あわせ
溶岩流画像を赤色立体図に載せます。赤色立体図は7/28の国土地理院から。スケールは100m毎ゼブラで図示。
赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です。
判読です
前回はこの夜間撮影の翌朝方のEO-1の画像を紹介しました。熱活動の位置はほぼ一緒でしたので、確認の抜けは無いと思われます。
やはり溶岩流の量がこの頃減ってきているのではないかな。西之島で予想される溶岩流出量の不確定要素としては、
・海底に繋がる溶岩トンネルがあって人知れず大量に流出している。
・溶岩トンネルの中に入り込んで膨張亀裂を生み出す活動が起きている。
などでしょう。確かに東顎方面は熱もあるが、大量に活動している感じはしない。
うーむ、あと少しで2周年なんだ、頑張ってほしいところ。
噴出量は厚みが分らないと難しいんだが、注視して計算してみるかな。
記事は以上です。
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