H271030ランドサット8の捉えた夜の西之島
晴れても輝きは薄く
10月27は完全に雲に入って日中画像を得られなかったランドサット8ですが、10月30日の夜間は良い天気に恵まれたようです。
しかし前回10/23同様、いやさらに熱源の輝度は下がっています。B6は参照していますが超高感度で画像化しています。近赤外のB5には感がありませんでした。
概況画像
H27/10/30ランドサット8の捉えた西之島の夜間画像。バンドの処理はB10青着色、B11濃いシアン着色、B7高感度で赤、B6超高感度で緑。画像の解像度は60m/px。
西之島南西近傍の小さい雲一つのみの快晴です。これは小さいけど噴気かな。
火映の表示
熱源付近に雲や噴煙がある場合に確認できる火映を確認します。
バンド処理はネガポジでB11濃いシアン着色、ネガポジでB10青着色、B7高感度で赤、B6超高感度で緑。画像の解像度は10m/px。
火映の写るべき噴煙や雲は島の上にはないようですね。しかし熱活動が弱いなあ。
青色熱赤外画像
バンドは同じ組み合わせなのですが、去年の今時期によく作成していたB10、B11をポジで青にした画像も作ってみました。
バンドの処理はB11濃いシアン着色、B10青着色、B7高感度で赤、B6超高感度で緑。画像の解像度は10m/px。
色合いが幻想的で好きなのですが、最近はやっていなかったです。この画像では熱量が段彩されますので黒から青、マゼンタ、白に向かって高温となります。
熱源画像に続きます。
熱源画像
今回は輝度が低いのでB7も高感度のまま、B6も超高感度で使いますので、溶岩流画像ではありません。とりあえず熱源画像としときます。
無理やり光らせているけど、これはこれで使えます。
位置合わせ
久々に作った青色の熱赤外画像で位置合わせ。海岸線は7/28の国土地理院から。画像のスケールは100m毎のゼブラで図示。
島の溶岩流が到達してしばらく経った場所でも、体の芯から冷え切ってはいないことが読み取れますね。赤外線で暖かいと。
赤色立体図合わせ
今回は熱源画像を赤色立体図に上乗せです。
赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測株式会社の特許技術です。
ホルニトあたりの熱源が一番輝いています。
判読です
今回近赤外のB5に感は無く、しかもB6を普段ならば白飛びしてしまうレベルの超高感度で利用しました。ですのでここに高温の溶岩流は無いと言えるでしょう。
火砕丘の第7火口にもあの頃の輝きはありません。弱々しいホルニト跡に劣る状態です。
また10/23に見えた火砕丘南西側の輝きの位置には、B10を見ても熱情報が何もありません。
噴煙もほとんど見当たりませんし、いずれにせよ火山活動は全体が弱い事態になっています。
さすがに消えた光点はおかしいので、前回の位置合わせに問題があったのかと疑いました。
溶岩流が到達してから時間がたっている場所に、何故か寿命の長い光点がある場合、そこに溶岩膨張亀裂(lava inflation cleft)の成長を確認できることがあります。
今回の高感度画像で確認できる島内の離れ光点は寿命の長いものもあると思い、これを利用して位置の整合を確認してみました。しかし結果10/23と10/30は整合率が高く、間違っていなかったとの自己評価です。何だったのか火砕丘南西側の光点。ガックシ。
溶岩膨張亀裂の成長は、ランドサット8で有意に確認できる火山活動現象の一つと思っていますので、また検証したいです。
記事は以上です。
あンの頃の輝きを取り戻してくれ西之島!
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