閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

H290525ランドサット8の捉えた西之島

2017-05-25 ランドサット8撮影の西之島

 噴火を再開して1か月を超え、ますますお盛んな西之島。今回は噴煙が分身の術を使用し、話題と誤解を与えるなど侮りがたい活動をしています。

パンシャープン画像

さて本データはUSGSのEarthExplorerからです。

EarthExplorer

パンシャープン画像のバンドはB1青、B3緑、B4赤、背景はB8。画像の解像度は10m/pix。

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形が・・なんかドーモ君みたいになってきた。 

 

赤外フォールス画像です。

溶岩流を見る画像です。

バンドはB5青、B6緑、B7赤、背景はB8。画像の解像度は10m/pix。

f:id:gravireyossy:20170525164809j:plain

 B7とB6の高熱部が明瞭です。活動活発ですな。

 

熱赤外線画像

気になる北側の2本目の噴煙。

この実態を知るには多少低温でも温度差を認識できる熱赤外線でしょう。

そこでプレデター視界風のサーモグラフィー風熱赤外画像を、なんと初めて作ってみました。

熱赤外画像のバンドはB11です。

結局現在活動が見える場所以外に、熱源は見当たりません。新展開はまだ無いという事ですかね。

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この程度の画像を得るのに一苦労。ランドブラウザーさん復活してくれ!

  

位置合わせ

パンシャープン画像に海底地形図を乗せます。海岸線は5/2の海保から。

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南西の溶岩扇状地が結構広がった。水深も50mを超えるところまで陸地になったことがわかります。

 

赤色立体図のせ

日中写真の赤外フォールス画像を、夜間風に仕上げて千葉先生の赤色立体図に乗せます。

バンドはB6緑、B7赤、B4減算、背景は赤色立体図。画像のスケールは図示。等深線は10m毎。

赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月9日に測量した2.5mDEMのものです。

http://arukazan.jp/twentytwenty-master/index.html

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日中画像は目視確認できるし、ほぼ真上から写真を撮れているのでズレが少ない。第7火口位置に光点がばっちり乗りましたぞ。

 

判読です

今回も撮影は好天に恵まれましたね。

溶岩の流下方向は南西方向ですっかり安定しました。南西方向の溶岩扇状地は、一部で水深50mの等深線を超えた位置まで達し、海岸線からは活発に湯気が上がっています。

ここで噴火前に比べて拡大した陸地を測定すると、西側は0.04km2、南西の溶岩扇状地は0.11km2、合計0.15km2は広がっている。島全体の面積は2.82km2。スルツェイ島の2.80km2は超えたかな?

 

今回は噴煙が火砕丘北台地から立ち上って見えるということで、ちょいと検討してみました。

実は最近似たような噴煙を見ました。5/10にSPOT6の撮影した下の画像なのですが、5/25と同じように噴煙が2か所から上っているように見えます。

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画像は下記サイトから

Image Hunter by Apollo Mapping

  

すわ新展開かと思ったが、結局この時も北側に新たな熱源はなかった。

ということで、今回の噴煙については海岸部分の湯気以来のものと、火口からの噴煙由来のものの2本立てだったと考えます。

原因は下図参照で、上空と海面付近で風向きが違うという状況かと思います。

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熱い溶岩流が海岸から湯気を出していますが、この海岸付近の湯気は北北西に向いて、湯気は一旦水蒸気となって薄くなったのち、さらに上昇して上空に至って2本目の噴煙として復活している、と見ました。

 

以上です。

お気楽にコメントしてください。

 

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.