閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

ランドサットの捉えた夜の西之島H270225

西之島に天使の輪か?

 久しぶりに海保の観測があって、なかなか美しい画像が提供された西之島。

それに今回は面白い動画もUPされましたね。

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http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/kaiikiDB/video/2013nishinoshima/v20150223_movei_IR2.mp4

 

先日の画像仕上げで「サウロンの目」などと表現したから、早速「指輪」が現れたという事か?と驚いてみる。

しかしきれいな輪っかです。

 

西之島炎上

 2/25は夜間の撮影日だった西之島。

降水確率は10%、ばっちり来たかと思ったが、データを開くと花の様な模様、火映が見えてきました。 

本来は可視光で観察できる雲などに映る輝きを「火映」と呼ぶでしょうが、ここでは赤外線だろうが可視光だろうが区別せず「火映」で扱いますよ。

さてその火映がきれいに写った画像が今回の主役です。

 

下はランドサット8の撮影したH27/2/25夜の西之島。B7赤、B7緑、B6白です。画像の解像度は10m/pic

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さすが16ビット画像、もえる~燃えとるわ。

実は自分、これを見て「ううーむ火口の辺りの輝きが変な形なので、合わせるの注意しないとなあ・・」と思っていた。

だが違った。完全なる勘違いだった。

 

さてその位置合わせに続きますよ。

 

 雲に隠れて火口が暗闇に

 

 公正で厳正な抽選の結果、位置合わせは下の様な形に。海岸線はほぼH26/12/24の海保画像からで、東の張り出しは東大地震研の資料からトレースです。

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 画像差し替えH27/3/3

いやや、中央火口が真っ暗だったとは。雲か噴煙で隠れたのだろうが見事、分らなかったよ。

 

ところで今回画像の図枠を、東側だけ経度で10秒広げました。ですので、

東は140度54分10秒

西は140度52分40秒

南は27度14分0秒

北は27度15分50秒

こんな配置です。

 

やはり夜間の画像は訳が分からない。中央火口位置不明となると、位置合わせから赤色立体図には載せて把握したい、と思います。

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  画像差し替えH27/3/3

赤色立体図(2014cアジア航測㈱)

良い良い、さらに燃えている感じが出てきた気がするね。

 

判読の前に比較対象画像で、H27/2/23海保の赤外線画像です。角度の問題で画像は整合が甘いです。

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この段階ではまだ、内陸部に熱源があふれてはいないですね。

 

判読です

 2/23に海保が観測して2日後、まさか2//25に溶岩トンネルあふれとるとは思わなかったが、東耳付近で陸上のトンネルが決壊しました。

 海保の2/23付近の空中写真画像を見ると付近の溶岩膨張亀裂は膨らんでいて、溶岩扇状地北側に向かうこの系統の溶岩流は、すでに圧力が高まっていたようです。三角浅根方面は成長が厳しくなってきたかもしれん。

 溶岩扇状地南側に向かう溶岩流先端は、水深100mとした等深線にかかりました。熱量充分で、陸上の溶岩流も不穏な亀裂なし。しばらくはこの位置が活動中心でしょう。

 

記事は以上です。今回の撮影は火映がきれいでした。

今後は火山噴火予知連絡会の資料が面白いので、まったりと取り組む予定です。

 

コメントはお気軽にどうぞ。

 

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.