西之島の海底地形図を予知
待てば海保の日和ありとか
西之島付近の海底調査船も帰港し、新たな海底地形図が公開されることを心待ちにしている今日この頃。今回の調査は海底の地質構造や活動状況、そして噴火の影響を含めた現在の海底地形の状態の報告も期待できるとあって、いやが上にも期待は高まります。
現在漏れ伝わるわずかな情報からは、島の南と東は浅くなったが思ったほどではないとか、西や北側は10m程度の浅瀬で変化がないとか。この辺は公開される地形図を見てみたいですね。
という訳でやはり待ちの一手、待てば海路の日和ありという事ですよ、しかし・・、
と言いながら自分はもーう待てぬ、待てぬわ! オラは我慢の出来ない典型的現代っ子なんだー!
閣下が不用意に予知した西之島付近の海底地形図
というわけで今回はこの海底調査結果を予知!噴火によって変化した海底地形の調査結果にピタリ!合致させようという野心的な取り組みです。
まるで月の裏側を念写するに等しいこのチャレンジ。この困難なミッションを達成する地形図の作製手法は困難を極めたため以下のように入念に計画した。
- 噴火前の海底地形は桃色海底地形図、略して桃図たんを参考にざっくりと描いて用意。
- 地上部の最大海岸線を基調として認識、水深10mまでは洗掘があるが、それ以下は堆積方向だと決めつけ、50%程度勾配の海中斜面を標準に想定。
- 大量に海中に溶岩流が流出したと疑われる箇所は、流出量をサバ読んで計算。計算結果から海中の溶岩末端崖は30mくらいとして海底ローブをイメージ化。
- この段階でおもむろに幽体離脱を実施、現地を直接訪問して補測修正し結果をその辺の怪しげな石版等に念写。
- この念写石版画像をトレース、等深線はアツアツのホンマもんのマシュマロがとろーりと溶けたイメージで豊潤な感じに仕上げる。
- お熱いうちにどうぞ。
うーむ、カンペキじゃないか我が夏休みの計画は。なになに、いくらなんでもこれは予知ではなくて想像図ではないかと?・・・そそそうだね、そこかね。
だがね、まあ地震とか噴火とかのキーワードは何かと予知!なのだよ。ここはヨチヨチ行きましょう!
画像縮尺は図示、縦横の経緯線は10秒毎。等深線はオリジナルの海底地形図です。
ここで流石に誤解を受けてはならぬので、画像には閣下が不用意に予知した海底地形図云々と文字入れしました。
今回西之島の海底地形において、斜面に溶岩流の流れ出た場所は①~⑥の6か所に限定した。①の東耳当ては15~20万m3/日の溶岩量が海底に2か月流出した前提で描いている。他はこの規模ではないとして、適当に処理。
でも②はもう少し大きいかな~まあよいか。突っ込めるヨチも必要だし。
H270618西之島の地名地図
さらに、今回は海保提供の6月18日版西之島の面積推移図に、赤色立体図を背景に置いて地名を振り地名地図としてみました。
赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です
おおう推移図と赤色立体図の相性が意外と良い!溶岩流拡大の方向が時系列的に把握しやすいです。
以前の地名地図はこちら。
桃図に合わせ
最後は西之島おなじみの桃図たんに背景に入ってもらいます。
少し見づらいかな、南や東側には深い海にはみ出た感じになっているのが読めますね。
まとめ
さて当ブログでは今まで、暗礁図や桃図を参考に、諸分図や海底地形図を引用して西之島の海底地形図をオリジナルで描いて運用してきました。しかしさすがに今度の海底調査結果を受けて、オリジナルの海底地形図というものはお役御免となると思います。
オリジナルとは言え長らくお世話になったというわけで、今回は最後に一花、咲かせてもらおうという企画でした。
近日には海底地形の答え合わせも楽しめそうです。そのあたりのデータは詳細なものがオープンになると嬉しいですね。
御礼
振り返ると当ブログでは今回の記事が100記事目。今回こそは少しはまとめ的な記事にしたかったのですが、相変わらず忍耐力不足でグダグダに。いやもう失礼しました。
当ブログでは公然の秘密ですが西之島カテゴリーの記事数がそもそも記事総数と同じという事で、ここは自分が頑張って記事が続いた~というより噴火自体が良くもまあ継続したという事、そして産総研のランドサット8データをはじめとした、オープンデータを提供してくださる各種機関の厚意の賜物であることに尽きます。この場で提供の各機関の方々に厚く御礼申し上げます。
そしてこの誤解を招きやすく偏った不親切な記事群に、読者の皆様はよく継続してついてきてくださいました。色々無礼もあるのですが、そんな中面倒な認証作業を超えてのコメントも沢山戴き、感謝に堪えません。賜りましたご厚意に深く御礼申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。
さて今回の記事は以上です。
コメントはお気楽にどうぞ。