閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

西之島の海図W49

最近買ったもの

今回はまるでブログのような内容でお送りしています。

日常生活に必要ないものを購入するのは何かとハードルが高い。少なくとも妻の目には非日常、そう映ったに違いないものを買った。

ここまで引っ張っておいて何を買ったかはタイトルに書いてしまったのですが、あえて言おう!海図であると!

さて日本では船を運航するときに法定の海図が必要になるのですが、 西之島の付近を航行するときそれは小笠原諸島諸分図第1という事になります。

で下は水路協会の 「小笠原諸島諸分図第1」サンプルです。これが実物は立派な紙でかっこいいんだわ。惚れたよ。

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先だって外邦図でご紹介した「海図49号の南方諸島諸分圖第1」がこれの前身でしょう。

明治時代測量の西之島 - 閣下が不用意に打たれたblog  

この海図は西之島だけではなく父島列島に加えて沖ノ鳥島も記載されていて航行用に大変お得な一枚。ですが、

現在西之島付近でこの図の範囲は6km以内アレという件でほぼ航行できないし、陸上部分も素で命に係わるガス岩盤浴状態。ちなみに沖ノ鳥島もご存じのとおり許可なく立ち入ってよい場所ではありませんし許可をとれるもんでしょうか。これは妻を説得するにはやはりハードルが高い地図と言えましょう・・。

だが!この噴火が収まればこの海図は更新される。今しかないのである。

カイズと言えば

さてこれをスキャンしたのが下図ですが申し訳ない、地図として読み取れず、当然航行用に利用できないレベルに解像度はガックシと落としています。

 

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これは水路業務法第24条により、「海上保安庁が刊行した海図・航空図を航海・航空の目的で複製するときには、海上保安庁長官の承認が必要」ということからです。よって本図を持って航行用には利用できません。ザワザワしても無理。

 利用すべき地図は

ネットに確認できる公式の海底地形図は下の「6556-8西之島 (海底地形図)」が一般的なのだが、自分が写真を基に作った暗礁図と整合しない部分があります。自分の暗礁図中では等深線を整合するように修正してありますが、自分がこれに不安を持っていた。しかも諸分図と海の基本図の間にも整合が取れていない部分があったのです。

https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/nishinoshima/image/nishi_02.jpg

この海底地形図と諸分図、どちらを正として海保が利用しているのか。これを海保の資料から確認できたのが下のpdf。

http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/CCPVE/shiryo/129/129_no03.pdf

下図は上記p26を参照して抜出したもの。

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これはあからさまじゃないか。ここまでして諸分図のデータを利用したい、この情熱に自分も感化された、そんな気がする。そうしよう。

てな言い訳で明治時代の諸分図と平成の諸分図から水深のプロットを集めることにした次第。

 

作業から以下の記事に投稿しました。H26/11/20

 追伸:今週のランドサットは天気に恵まれないな。次は12日夜か。

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.