閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

激変する西之島に池があるのか疑惑

お茶の間に西之島復活

お久しぶりでありますが、令和噴火となった西之島の活動沈静化後初の本格的調査が含まれたETV特集が2021年5月1日に放送予定です。

詳細は下記ツイッタを参照してください。

 

 

予告動画中の最新の西之島画像をキャプチャしました。

 

北側から火砕丘望む

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北側から

火砕丘北側から山麓望む

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火砕丘山麓

火山灰に覆われた西之島に池がっ!

この番組紹介、大変興味深いものを写し込んでます。ここに自分の睨んでいた「池」が写り込んでいたからです。

水たまりレベルの寸法ではありません。

動画の池の位置は下図に。

 

 

とはいえイマイチはっきり写っていないように見えます。本当に池なのかよ?と。

が、ずっと池っぽかった場所なのですよ。

西之島に池が出来た経緯を紹介

池は2020年9月に成長し、10月以降縮小していったように見ています。

写真は海保の海域火山データベース2020/9/5の画像に加筆。

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海上保安庁 海域火山データベースに加筆

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上記アップで

衛星画像に切り替え

海保のその後の写真は火口ばかりなので、時系列的にはSKYSATの画像で紹介しましょ。データソースは下記から。

https://imagehunter.apollomapping.com/

西之島北側の切取りで、当該箇所の解説をします。

 

 

予告動画の撮影時期に近い2020/12/8の画像です。解像度低いので位置の参考に。

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では時計を巻き戻して、噴火鎮静時期から

2020/8/28 沈静化初期、白っぽい所は水が流れシルト分の堆積した形跡で、池の東部分に扇状地を作っています。扇状地が池部分に届いていないので、水は到達していないように見えます。(地質的にはあくまで想像)

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2020/10/3 水が大量に流れ込みました。このあと西側の蹄鉄池部のみが残っていきます。

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2020/10/4 上の1日後ですが、随分水が引いてます。

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2020/10/14 池の輪郭は変わらず。落ち着いたようです。

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2020/12/8 東側が埋まり、蹄鉄型になりました。この段階で池の南側の丘をにくきゅうと呼び、地名を付けて管理してます。

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JAMSTECの調査は12月だったと思うので、予告動画は全容を映していないですが、この時期の蹄鉄型の池になると思います。

 

感想

ここまで自分の中にあった「あれは池だろう疑惑」を紹介しました。高解像度の放送でどう見えるのか、どう紹介されるのか、楽しみです。

しかし最近はSKYSATにも池は明瞭に映り込まないので、「乾季かなあ、あるいは排水路が開いて抜けてしまったかなあ」などと考えています。

 

さて放送が待ち遠しいですが当日はテレビの無い場所に居ますので、自分は録画で参加。

皆様の目でご確認いただければと思います。

 

 

ではでは~

R020704ランドサット8の捉えた西之島の噴煙

気象庁から噴煙高度8300mとアナウンスされ、どうなったのか気になってしまう西之島

インスタ等にも小笠原の皆様から盛んに画像や動画がUPされています。

 

ランドサット8はこの噴煙に邪魔されながらも、噴煙そのものがビックリ高度に達していたという事で、こちらを紹介します。

 

ランドサット8の持つバンドの中でも、かなり上空の雲でないと写らないBAND9。

当然西之島が写る事はありません。海面に映る影も見えないのですな。

低い所にある雲も軒並み写らないのですが、今回はばっちり西之島の噴煙が入ってきましたよ。

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20200704-LS8 B9

比較に赤色のBAND4をうPします。標高の低い雲が写っています。有色噴煙は北西方面に見えている状態ですね。

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20200704-LS8 B4

 

いつもの様に画像の解像度を10m/ピクセルにしました。

パンシャープン

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フォールス赤外画像ーB9

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20200704LS8 フォールスカラーB9減算

夜間風フォールス赤外画像ーB9-B4

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20200704LS8 フォールスカラーB9、B4減算

溶岩流周辺の雲に火映が写ってしまって、これが強力ですな。

輝きが溶岩流なのか火映なのか、読まないといけません。

 

判読と説明は後ほど追記します。

R020629西之島旧島の最期

制御棒が抜けた西之島

2020年6月29日 海上保安庁の撮影した西之島画像が公開されました。ホワイトバランス等を調整し、画像のサイズは縮小してUPします。

西之島|海域火山データベース|海上保安庁 海洋情報部

昭和噴火前からある溶岩台地、埋没が懸念されていた旧島はついに溶岩流に埋まりました。

そして火砕丘は南斜面を中心とした崩壊が起こり、海岸線を南に押し戻した形になったようです。

活動は恐らく平成噴火以来最大規模。旧島が埋まった怒りを爆発させているかのようです。

いきなりですが下は火砕丘中央火口のアップ。

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ダイナミックすぎる、木星かよ!(違

 

北方向、遠方から島全体。

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噴煙黒い。火砕丘頂上が斜めになり広く開口しています。

 

南西より西之島旧島位置及び新しい南向き溶岩流。噴出物が日中であるというのに赤熱して写り込んでいます。

下流には鉄さび色の赤い場所があり、これはスコリア丘内部のモノと思われます。

画像は連続して在りし日の旧島。200607海保から。

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20200607海保

今回は他にも拡大画像も数多くUPされています。海鳥なども写り込んでいて、アップにすると楽しめると思います。

 

海保のツイッターでは動画も公開されています。

 

感想

 ついに埋まってしまった西之島の旧島。

時を同じくして西之島は、平成噴火以降最大規模の活動規模となっていると思われます。

火砕丘本体は南に向かって、恐らく斜面崩壊したと思われます。大きな塊が崩壊物に散見され、赤いスコリアがむき出しとなり表面に載っています。

溶岩流はこれと違う色合いで合間を流下してることから、崩壊物は動きを止めていると思います。

今後山体はスコリア丘として修復されて行くと考えますが、活動規模の変化があれば更なる変化もありそうです。

 

有史以前からあった西之島の旧島台地でしたが、今までの噴火活動を辛くも生き延び、調査隊も真っ先に向かうもんだから番組でも紹介され、生態系の変化を観察するのに重要な場所とされていたと思います。

しかし平成噴火以来これまで残っていたことが奇跡に近かった。

調査では土壌の生成過程など、色々な知見を得られたと思います。今まで踏ん張ってくれたことに、感謝したいと思います。

 

今回は以上です。コメントはお気楽にどうぞです~

 

 

 

R020624SKYSATの捉えた西之島

ついにこの時が来てしまった

5月の中盤以降うなぎ上りに活発化していた西之島は、火砕丘頂上を火口列にし、東方向に大きく溶岩流を流していた。

そして6/24、SKYSATのサンプル画像に見えたのはなだれ込む溶岩流の先端が旧島に到達している画像だった。

手元にはいろいろ画像が残ってしまっているけど、取り急ぎUPします。

サンプル画像のソースはこちら

https://imagehunter.apollomapping.com/

 

元画像サンプルの連結です

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200624SKYSAT

ホワイトバランス等を調整したもの

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200624SKYSAT

ローブが赤い。2014年9月の大流出で見られた高温で一気に形成されたの溶岩台地に似ている。

 

火砕丘の東側には不自然に均質な熔岩原に川のような溶岩流。6/19の海保の画像では、こちらが主流だったはずだが。

 

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200619海保

 

先立つ6/22夜にはASTERの夜間撮影があり、薄雲を抜けて活動の様子が写っていました。

 

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200622ASTER

この時既に火砕丘西側に異変が起きていたのだろうか?

だが1.5日間の事、一気に溶岩流は溢れたという事でしょう。

しっかり見守りたいと思います。

 

 

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.