H271011 ランドサット8の捉えた西之島
南の島の西之島
思い出したように少し前8/23のNHKスペシャルを見返したりすると、どうにも憧れを禁じ得ないのが無人の360度カメラが島に降りて撮影した映像。
中でも自分が好きなのはこの風景です。
旧島南台地から南側コバルトブルーの海に、小夜浜の波打ち際が遠く緩く弧を描く。
空に無数のカツオドリが舞い、新しい岩は既に静まり波打ち際で水平線を望んでいる。
小夜浜は新しく生まれた浜で、噴火の前は海だった場所だ。
いつかこの浜で体を休める人が感じるのは、はたして命の息吹なのだろうか、
それともこのはて無き海に浮かぶ、人類の孤独なのだろうか。
撮影概況画像
さて海岸線の白い波も落ち着いた感じになった西之島。
H27/10/11ランドサットの撮影した西之島は、またも好天。素晴らしい画像となりました。
一部沖合の波に交じるまだら模様はなんなのか気になるが概況画像です。
画像のバンド処理はB1青、B3緑、B4赤のトゥルーカラー。画像解像度は60m/px。
濃いめの噴煙です。それとも自分の処理が濃すぎたかな・・?
パンシャープン画像
拡大してパンシャープン画像。
バンドはB1青、B3緑、B4赤、背景B8。画像解像度は10m/px。
手前味噌だが今回はなんだか美しい。噴煙も頼もしい。火砕丘の硫黄色も健在のようだ。
溶岩流画像に続きますよ。
溶岩流画像
で、今回も勝手呼称の赤外パンシャープン画像でございます。
冷えた場所は青く、熱を持った場所は茶~緑の大地を拝めます。
バンドはB7赤、B6緑、B4減算、B11ネガポジ青、B8背景。画像解像度は10m/px。
最近活動の無い大地が青く冷たく凍って、霧氷の西之島に見える。ムヒョー、やりすぎたか。
さて溶岩流データ画像はこんな感じで。
バンドはB7赤、B6緑、B4減算。画像解像度は10m/px。
位置合わせ
前出のパンシャープンを使って位置合わせです。
画像スケールは100m毎ゼブラで図示。海岸線は7/28の国土地理院から。等深線は最近の海底調査から50m毎に読み取り。
海岸線は浜が変化激しいですね。小夜浜は伸びたり縮んだり。海王暗礁方面はまた伸びたりしています。周辺が浅い海ではこのような事が起きやすい印象です。
赤色立体図合わせ
位置合わせ済みの溶岩流データを赤色立体図に載せます。データは7/28の国土地理院から。
赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です
前回となんか違う。テルテル坊主型に光点が変形中ですな。
判読です
活動の低下傾向に見える西之島だが、溶岩流がホルニト直北方面に一歩進んだようだ。テルテル坊主の頭の部分は前回には見られなかった光点です。
海岸線付近で熱活動の光点は確認できませんが、東アゴ付近や旧オッキ湾付近のエリアは最近の活動熱が残っているようです。
いずれにせよ陸域は全般的に海水温より暖かい状態です。
火口は第7火口のうち古い南側に明瞭な熱があり、噴煙も確認できます。濃いめに棚引いている噴気活動も、まだ第7火口が主体の様です。
海面は凪いでいるわけではなさそうですが、前回より白波が減りました。
台風のうねりの影響なのか、噴気の向きと白波の目立つ浜の方角が異なっていて興味深いです。
さて記事は以上です。
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