閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

H290509 ランドサット8の捉えた西之島

西之島が4/18に再噴火して3週間になろうとしています。 

4月19日夜のランドサット画像は、再噴火ニュースよりも早いデータだったため自分もてんやわんやしました。

公式の再噴火は飛行機で映像確認した4/20になるのかと思いますが、それよりも早く噴火の実態が確認できる、そういう時代になったんだなあと改めて思います。

 

 

2017-05-09 ランドサット8撮影の西之島

本データはUSGSのEarthExplorerからです。

EarthExplorer

バンドはB2青、B3緑、B4赤、背景はB8。画像の解像度は10m/pix。

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 湯気と変色水が見えます。この変色水領域は水温が高いようですよ。

 

フォールス赤外線画像に処理しました。

B7赤、B6緑、B5青。

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赤外線+パンシャープンです。

B7赤、B6緑、B10ネガポジ青着色、背景はB8。

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位置合わせ

パンシャープンに過去の海岸線を載せます。

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さて位置合わせの後は、溶岩流の位置を赤色立体図に乗せます。

赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月19日に測量した2.5mDEMのものです。

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判読です

一連の再噴火で、南台地の残地の東側一部は飲まれましたが、トータル75%くらいは残ったかな。この残地に向けて、海岸からつながる回廊のような形状が見えるかと思います。ここで踏ん張るあたりが西之島のニクイところです。

あっという間に主流となった南西方向、西頬付近への溶岩流は健在です。海岸線は水深50m付近。今後は溶岩量と斜面勾配の戦いになりそうです。

逆に広大な小夜浜を埋めた溶岩流は水深20m程度まで、そして旧島の南台地付近を伺っていた溶岩流は動きを止めているようです。潔く冷えてしまうあたりが不気味ですね。

ところで中央の火砕丘ですが、元の火砕丘の外輪部分が見えません。湯気の影響もあり不確定ですが、ズバッと言ってしまいましょう。2重火山の形状は終わって綺麗な富士のような山体となっていると思われます。手前計算では、山頂の標高170m程度!

 

状況に変化が激しいところで、そろそろ海保さんにも更新をお願いしたいですね。うかうかしていると、設置したばかりの基準点が埋まってしまいますよ~。

それでは今回はここまでに。コメントはお気楽にどうぞ。

 

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.