H290505ランドサット8の捉えた夜の西之島
2017/4/19に1年5か月ぶりに再噴火を開始した西之島でしたが、ランドサット8の撮影は2017/5/5の夜、高層雲の影響があるものの噴火の様子を確認できたので画像をUPします。
データはUSGSのEarthExplorerからです。
いきなりですが火映の表示
2017/5/5、ランドサット8の撮影した夜の西之島。
バンドはB7高感度で赤、B6緑、B5白。 B10のネガポジを青で着色処理。画像の解像度は10m/pix。
これで噴煙を確認します。
火映が雲にほぼ掛かっていませんから、雲は高層雲と思われます。
噴煙を見ると、西之島付近の風は西からですね。
溶岩流の表示
高温部分の確認です。
バンドはB7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/pix
火口周辺はB5もはっきりしていて、熱い状態です。
そして位置合わせの背景日中画像は2017/2/18のランドサット8から。
西の顎浜は活発です。
でも旧島周辺の小夜浜は活動がうっすらとしか確認できません。
赤色立体図乗せ
赤色立体図はアジア航測の千葉先生のサイトから。国土地理院が2015年12月19日に測量した2.5mDEMのものです。
南西側には結構出ているんじゃないかのう。
ここでもう一つ、東大地震研の推移図に乗せてみますよ。
ここで乗せているのは2017/5/5夜のランドサットデータ。
前回報告した2017/4//19夜のデータと合わせると、下のようになります。
資料を少しUP
突如再噴火としましたが、さすがに観測体制が整っていました。予兆となるような地震、活動を告げる空振は東大地震研でまとめています。
2013年11月21日西之島の噴火活動 – 東京大学地震研究所
その中から流出した溶岩の分布図です。
2017/4/21溶岩の分布図、ベースは2016/5/2のWV3号画像。
しれっとWV3号の画像が出ましたね。解像度0.3mのハイレゾ衛星です。
そしてその後4/25の観測。
下地の画像は地理院のモノになっているようです。
参考にしてきた空撮画像も紹介します。4/20のニュースではこの辺が良いアングルでしたね。
2017/4/20朝日新聞社
2017/4/20朝日新聞社
これが4/21になると噴煙が増えてきます。溶岩流も旧島に接するように流れ始めました。黒っぽい部分は高温部分です。
2017/4/21朝日新聞社
次いで4/25の画像。火口内に小さなお山が見えます。2重火山といった様相です。
2017/4/25読売新聞社
旧島脇などを抜けて、小夜浜にあふれた溶岩流。いたるところから溢れており、またローブが広い。流出量が豊富であることが見て取れます。この辺は5/5の段階では光点が明瞭ではありません。動きが止まっている可能性がありますが。
2017/4/25読売新聞社
島の南西部です。西顎の浜ですが、この辺から海に出た溶岩流が今活発な状況です。 去年はこの浜にも営巣地らしき模様があったんですが、すでに埋まっていますね。
2017/4/25読売新聞社
判読です
中央の火口は活動活発。流出口も北側にあって新たな動きはないようです。
西頬と南顎の間に向かう溶岩流が活発化。溶岩流は西顎の浜から海に入り、水深30m程度まで侵入したと思われます。今埋めている部分は浅めの場所ですが、今後は深い場所になるので、面積も容易には増えないと思われます。
旧島南台地をかすめた溶岩流は、どうも活動が弱まっているようです。海には入ったはずでしたが、形状が読めません。生態系の砦、旧島南台地のは残ったのか?気になりますが分かりません。
浜から海に侵入する溶岩は、下地が砂利のため洗堀されやすいのですが、量がまとまってくれば丈夫になるでしょう。
今回は以上です。コメントはお気楽にどうぞです。