H270921ランドサット8の捉えた夜の西之島
西之島の火山活動と深発地震を搦め手で
みなさん日経サイエンス読んでますか?
自分は歯医者さんでたまに読む程度ですが、今回は見逃せないのであります。
日経サイエンスの11月号は「特集:大地の変動を探る」の中で「西之島噴火と巨大深発地震」を取り上げています。深発地震とは5月末のM8.1小笠原諸島西方沖地震の事で、これと西之島の火山活動を絡めて来るとは。
慌てて本屋さんに行ったらば、10月号しかない。なんとまだ発売前だった・・。
発売日は9/25です。ダッシュは調べてからにしましょうね。
講演のお知らせ
10月16日(金)には、海中海底工学フォーラム運営委員会主催の研究会の中で、「西の島」航海記 三本立ての講演が予定されています。
旧日本海軍の潜水艦「伊402」の調査・撮影の報告などもあるようで、盛りだくさんです。これは行けるかなあ・・。
あの空の下はるかな北を目指せ
ついに北に向かって本流が流れ始めたと思いたい、そんな変化をとらえたH27/9/21のランドサット8の撮影。
概況の画像はバンドの処理がB10濃いシアン着色、B11青、B7高感度で赤、B6緑。画像の解像度は60m/px。
すごいですね、雲一つない好天に恵まれました。
火映の表示
噴煙の形状と影響を表示させます。バンドの処理はB10青、B11青、B7高感度で赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/px。
多少南西部に噴煙が掛っていますが、十分に熱活動を把握できそうです。地熱の高い部分も散らばった光点で把握できますね。
溶岩流の表示
今回溶岩流の把握に使用するのはこの画像。B7赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/px。
位置合わせ
最近の位置合わせはQGIS任せでポジションを決めているんですが、ランドサット画像はずれもなく、苦労無しの状況です。
上記溶岩流画像に海岸線は7/28の国土地理院から。スケールは100m毎のゼブラで図示。
海岸線の進延は無いようですね。
赤色立体図合わせ
今回も下地の地形の分かり易い標準透過で赤色立体図を溶岩流画像に載せます。
赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です
キタキタ。北に来ましたよっと。
判読です
9/18のEO-1で確認できたホルニトの北腹側の光点は、3日間で主流と言える状態になりました。画像中最も高温な点もホルニト北側の流れで、ほぼ白くなっているので確認できます。先端の進延距離は500m程度でオッキ湾溶岩原に達して、溶岩膨張亀裂の並ぶ渓谷域に侵入しました。
東頬、南アゴ方面は中間流路もトンネル化して確認できず、先端部分に光点はあるものの、縮小傾向に見えます。
北東方面、南東方面への流れも弱い輝きになって、位置的にも進延した形跡はありません。
旧島南台地に向かった溶岩流は、谷筋の一歩手前、台地の上で冷えはじめています。
南台地に向かう流れがここで止まるとはギリギリだったが、原因はやはりご神体の鳥の営巣地を守ろうという神通力にあると断言できそうですな。
誰かこのフォースを研究してくれんかのう。
記事は以上です。
コメントはおきらくにどうぞ。
H270918 EO-1の捉えた西之島
日中画像の西之島は 連続で
海保から9/16の画像が公開された西之島ですが、矢継ぎ早にEO-1の昼間画像がUSGSからUPされました。撮影は9/18の朝、時刻は8時20分~8時24分ごろです。
で最初はトゥルーカラー画像。全体の雰囲気を確認します。
画像はH27/9/18EO-1撮影の西之島。バンドの処理はB3青、B4緑、B5赤。画像解像度は60m/px。
データはUSGSから。
薄霞のかかった状況は台風20号の影響ですね。雲の並びは台風の腕に当たると思います。
せっかくの日中画像なので大きめの概況画像をひまわり8号から。画像で西之島は中央少し左で、東に離れた右端にあるのは父島や母島の小笠原諸島です。スケールは父島まで130kmくらい!
見やすいし便利だなあ、ひまわり8号。プルームモニタリングなら十分に機能するんじゃないかな。何しろ撮影間隔2.5分なのでデータが沢山参照できますから、動画に適しています。
その動画、3D視の西之島などを紹介してくれるR1さんのひまわり8号動画。これがすごい。雲のダイナミックで複雑な動きが気持ち良いです。
ひまわり8号で見る、今週の西之島 2015/09/07-09/13 - YouTube
作成が大変みたいだけど、ここで紹介して応援します。
パンシャープン画像です
EO-1に戻して、解像度高めに見えるパンシャープン画像の紹介。
バンドの処理はB1をモノクロ背景、B5を赤、B4を緑、B3を青。表示の画像解像度は10m/px。
島の周りの茶色いんですね。変色水かな。
溶岩流画像に続きますよ。
続きを読む噴火を続ける太平洋上の西之島
小火砕丘が入れ子状に形成
先ずは昨今の西之島の紹介。今回のニュースは第7火口内に小火砕丘の形成という事で、上の9/16の状況と、下の8/19の状況で比較画像が紹介されています。どちらも海保の海域火山データベースから。
お鉢の中に赤ちゃんの様な火砕丘が生まれていますね~。
ここで紹介されている第7火口の2つの穴ですが、H27/7/13の日本テレビの撮影で確認されたものです。
今までこの穴の形成に興味を持って経過を見てきましたが、自分は溶岩流のホルニトに向かう横方向への流れに、山体のカサカサしたスコリアが漏斗状に吸い込まれた陥没だと今では考えています。 根拠は以下の様なものです。
・もし爆発によって火砕物が吹き飛んだ場合は、火口内部の斜面がもう少し緩やかであろう事。
・これだけの体積のスコリアが飛び散れば、外形にも何らかの変化があったはずだという事。
このイベントの正体は結論が出ないかもしれませんが、この火口形状の形成自体が今までにない新展開であったともいえますね。
「噴火を続ける太平洋上の西之島」に行ってきましたよ
またも誤解を招く中見出しですが、行ってきたのは海洋政策研究所の主催する「第124回海洋フォーラム」です。
講師は海上保安庁海洋情報部の春日部長で、非常に分かり易い解説でした。
会場資料には主に海保のマークが入っていますので、海保で公開されている資料と同様に考えて、でも遠慮して講演資料から一部を抜粋して紹介します。
西之島の昭和噴火は42年前のことで、下は海底噴火から最後旧島に繋がり、しの字のなる状況です。
西之島の昭和噴火1973/9/14の写真は初めて見たかも。
それがあっという間に浸食されて、
月浦湾は池になり、全体がおにぎり型になっていきます。
変化図に続きますよ。
続きを読むH270912 ランドサット8の捉えた夜の西之島
火砕丘の南西方面に溶岩流が向かう小規模の新展開
当初ランドサットを楽しもう倶楽部の熱画像を見て、南西側に流出口が出来たかと思いましたが、火砕丘の山裾を廻る形で流れたようです。
http://landsat8.geogrid.org/public/nishinojima/2015.html
状況が変化したので今回は処理画像を先行してUPしていましたが、記事を追記しました。
概況画像です
撮影に支障となる雲は無く環境は良好。熱活動に漏れは無い今回の撮影ということです。
下はランドサット8撮影によるH27/9/12夜間撮影の西之島付近。バンドの処理はB10ネガポジ青着色、B11ネガポジ青、B7高感度で赤、B6緑。画像解像度は60m/px。
これも中々の仕上がりになりました。潮模様の様なまだらが見えますが、はてこれは何かな?自然の造形はきれいなものです。
火映の表示
上の画像と同様からB11の青を強めた処理です。
バンドの処理はB11青、B10青着色、B7高感度で赤、B6緑、B5白。画像の解像度は10m/px。
この画像で噴煙や雲に浮かび上がる火映は、地上の熱源と違いピンク色に見えてくるので、なんとなく区別できます。
溶岩流の表示に続きますよ。
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