R011217ASTERの捉えた西之島
噴火開始1週間で新展開突入の西之島の溶岩流
平成噴火3部作に続いて令和元年にも祝砲を上げた西之島
気象庁が熱異常を感知したという12月5日15時ごろをさかのぼる事18時間、既に紹介したASTERの夜間撮影で捉えた西之島の熱異常は、東大地震研の報告により噴火の前駆活動だったと結論付けられました。
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/2019/12/16/
USGSのサンプルで12月13日夜間、そして12月19日ASTERの日中撮影した西之島にも溶岩流がはっきり写っていることを確認しました。
データは経済産業省のMADASから
https://gbank.gsj.jp/madas/map/index.html
ASTER画像
近赤外線のnir10~15を比較明で重ねたものに熱赤外風グラデーション処理です。
解像度は15m/pxまで補完処理して拡大しています。
191213夜間撮影から
お次は191217日中撮影分
4日でこの変化。大変興味深いですな
上の溶岩を191217日中の3n画像を下地にして載せます。
191213夜間撮影
191217日中撮影
12月17日になると東の溶岩流が薄くなったので、少し下地を暗くしました。
ランドサットが夜間撮影してくれない中、ASTERは良いですね。
とりあえずUPです。詳細判読はのちほど。
R011209 1年5か月ぶりに再噴火した西之島
赤色立体地図の最新版をいただきました!
ビッグニュースなので大見出しにしました。
赤色立体地図は今まで、発明者であるアジア航測の千葉達朗先生が各所でUPしていたものを使わせて頂いていましたが、今回本ブログは溶岩流と火口位置の解析のために~という理由で、なんと千葉先生に直接「最新版が欲しいんです」とお願いいたしました!無謀っ!!っなお願いでしたが先生には快諾いただきまして、あっという間に頂戴いたしましたのでUPいたします。
千葉先生有難うございます!
ということで、国土地理院の最新版DEM(181201)による赤色立体地図、出来立てほやほやのアツアツアチチであります。きっと本邦初公開?
本図の画像スケールは2.5m/px。赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です(重要)
西之島の噴火再開について
2019年12月4日、ひまわり8号が西之島から熱源を感知し、このデータからは噴火活動の活発さを占う輝度が非常に高く、噴火の再開が予見されてきました。
12月6日の段階で溶岩流の海への到達が確認されるなど、すでに本格的な活動となっています。
ランドサット8の20191209撮影データから、西之島の噴火活動を処理しました。
当日は薄い雲が上空にあり島の輪郭は不明ながら、雲を透過して熱活動を確認できました。画像は
・B7、B7弱、B6を、赤緑青と処理
・これをB4で減算して雲を除去
・最後の画像は別な日20190702に撮影したB8を下地にして載せています。
連続して貼りますよ。
赤色立体地図載せで判読
頂いた赤色立体地図は、判読に利用した補助線と共に載せ軽く判読です。
火口は完全に熱源となっており、東側の溶岩流出口も想定位置どおりの輝きを得ています。
火口を含む判読線は国土地理院の出した地形変化のデータから、明らかに大きく変位した範囲、すなわち溶岩流と思われる範囲です。
海に進入したと思われる場所には光点が確認できませんでしたが、東側の端部付近、そして火口から北西に向かう光源の位置を確認しました。
ここはオリジナルの判読補助線のアップ画像です。
右上方面の光点は明らかに熱源のもので、おそらく溶岩流の先端部です。
火口北西方面の光筋は悩ましい。
噴煙は南南西方面で、雲は高度がありそうです。
すると噴煙への火映ではなさそうなので、何らかの高温熱源があると思いますよ。
アップ画像に赤色立体地図を再度重ねますが、溶岩流範囲は今回確認できた赤熱範囲と整合性がとれました。
ということで画像からの判読は以上ですが、公式が東方面への溶岩流しか言及していない中、「北西方面にも熱源アリ」と無謀ながら申しておきますぞ。
今回はこの辺で。
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R011204 ASTER夜間撮影の西之島
191204 ASTER夜間撮影赤外線画像と、190819_LANDSAT8-BAND8日中画像
とりあえず処理画像だけ。
結構高温の本格噴火ではないか。
H300715ランドサット8の捉えた噴火を再開した西之島
H300715ランドサット8の捉えた西之島
昨年2017年8月を最後に噴火活動の確認されなかった西之島ですが、およそ11か月の眠りから覚め、2018/7/12に噴火の再開が確認されました。
自分も完全にお休みだったのですが、ランドサット8は運よく7/15日中にパスがあり、好天の中噴火の様子も確認できましたのでupします。
まずは気象庁の発表から
下の図はひまわり8による観測で、西之島周辺の平均温度(青)に対して顕著な高温(黄)が検出されたかどうかで、ざっくり火山活動を確認できるのですが、7/12夜から高温域の検出が始まったとの事です。
気象庁地震火山部 火山監視・警報センター 火山活動解説資料(平成 30 年7月 13 日 23 時 00 分発表)
動画でございます。
噴火は火砕丘の横腹からですね。
パンシャープン画像
さてランドサット8のデータはUSGSのEarthExplorerから。
ランドサット8のバンドはB4赤、B3緑、B1青、B8背景で。画像の解像度は10m/px。
久々の活きのいい噴煙。始まったなあ。
B10をサーモグラフィー画像にしバンド8に載せます。
Hot-Coldは精神力で読み取ってください。
溶岩流出た場所は赤に囲まれたエリアですね。
フォールス赤外線画像
バンドはB7赤、B6緑、B4で減算してB8に載せました。画像の解像度は10m/pix。
やはり細かいことまで見えるB7、B6のコンビネーションです。
溶岩流の先端から海岸線までは300m強といったところでしょうか。先端の輝きが鈍っているので、高温の流出口あたりで流化方向でモタモタと迷いが出ているのかもしれません。
B7赤、B6緑、B4で減算の夜間風画像も上げます。
B7に対して減算のB4がずれるので、まとまった形状の部分は高温域と考えてください。
位置合わせ等はチョイとお時間いただきまして、また報告しますね。
火口周辺警報について
しかし西之島の火山活動は、一定の終息を見たという事で6/20には警報のレベルが引き下げられているんですね。
火山活動解説資料(平成30 年6月20 日18 時00 分発表)より
「火山活動に明らかな低下が認められ、噴火が発生する可能性は低くなっていることから、本日(20 日)18 時00 分に火口周辺警報(入山危険)から火口周辺警報(火口周辺危険)に引き下げました。」
下図は長期的に西之島の溶岩流が分厚く乗った範囲、新しく乗った範囲を中心に収縮しておる状況なんですが、今回は参考にならなかったという事でしょうか。
「2017 年12 月と2018 年3 月を比較すると、火砕丘周辺で衛星から遠ざかる方向を示す地殻変動が確認されており、火砕丘周辺が収縮していると考えられます。」
前回の復活劇も警戒範囲を縮小したタイミングで再噴火でしたが、地震計は噴火の予兆を捉えていたらしいので、今回もデータの解析に期待したいところですな。
とりあえず以上で。
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