西之島の令和噴火まとめ
新年あけましておめでとうございます。
令和元年が西之島の再噴火の年になったわけですが、令和2年も継続して噴火が続いていると思われます。
ということで、本年もよろしくお願いいたします。
さて西之島に関する番組と報告をこちらで紹介しておきます。
「サイエンススタジアム2019 探検!火山島“西之島”」1月12日、午後11時30分~ 午前0時00分
これは30分ですけど、再噴火を紹介することが出来るんでしょうか~
乞うご期待!
で、噴火前の9月にされた西之島上陸調査についての、前野准教授インタビュー動画
同研究所の噴火後の分析
【研究速報】ひまわり8号による西之島2019年12月活動の観測 – 東京大学地震研究所
西之島のSARデータ解析結果
アニメ化再び
さて噴火が再開した西之島は展開が忙しく、流下方向がコロコロと変わりました。
判読が疎かなままの記事が続きましたので、まとめるとこう!というものを用意するとアニメ化は避けられませんな!
国土地理院のだいちSAR解析を基に溶岩の流出範囲を輪郭付けし、これに12月中の衛星画像で確認できた赤外線画像を上乗せし、熱源を示したアニメです。
採用した赤外線画像は下記のとおり
20191204 ASTER
20191209 ランドサット8
20191213 ASTER
20191217 ASTER
20191225 ランドサット8
図中の日付のみの旗揚げは、SARの干渉波が途切れた輪郭です。
赤色立体地図載せ
12月25日のランドサット8の画像を、アジア航測の千葉先生から頂いた赤色立体地図に乗せます。
活動の収まった場所も若干黒く抜けていますので、12月中の溶岩の流下位置の地形が把握できると思います。
判読です
この北東側に抜ける熔岩流は、ランドサット8日中撮影のBAND5で明瞭に光条となっていて、今までの観測でも最も高温のものだと思いました。つまり活動はまだまだ続くと考えます。
恐らく北東方向への流下は継続したとして、水深30m程度の浅い海が広がっていますが、0.2km2ぐらいは稼いでほしい。その場合600万m3必用ですので、20万m3/日だと1か月くらいかかるかと。
また本当に奇跡的ですが、西之島の旧島が生き残り、周囲の活動も収まってきました。
恐らく調査隊のルートは失われ、海鳥の繁殖地として有望だった「西の浜」はほぼ無くなりましたが、種があればなんとかなるっしょ。残ってよかった。
そして自分としても旧島の存続は都合が良いのです。
というのも、2019年10月中旬にに小笠原を襲った台風の影響で、西之島の海岸線が随分変わってしまっている。とくに南側の浸食が激しい。
位置合わせの際にBAND5でキラリと光る旧島はランドマークとして重要なのです。
ということで後がない旧島、新展開をかいくぐり生き残ってくれ!
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R011225ランドサット8の捉えた西之島の溶岩流
USGSのサンプル画像をUPします。
青天に恵まれましたね。海岸線もほぼ確認できる事でしょう。
北東側が主流になって海岸線まで到達しているようです。
本データ処理したので画像を追加します。
記事は後ほどに。
R011217ASTERの捉えた西之島
噴火開始1週間で新展開突入の西之島の溶岩流
平成噴火3部作に続いて令和元年にも祝砲を上げた西之島
気象庁が熱異常を感知したという12月5日15時ごろをさかのぼる事18時間、既に紹介したASTERの夜間撮影で捉えた西之島の熱異常は、東大地震研の報告により噴火の前駆活動だったと結論付けられました。
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/2019/12/16/
USGSのサンプルで12月13日夜間、そして12月19日ASTERの日中撮影した西之島にも溶岩流がはっきり写っていることを確認しました。
データは経済産業省のMADASから
https://gbank.gsj.jp/madas/map/index.html
ASTER画像
近赤外線のnir10~15を比較明で重ねたものに熱赤外風グラデーション処理です。
解像度は15m/pxまで補完処理して拡大しています。
191213夜間撮影から
お次は191217日中撮影分
4日でこの変化。大変興味深いですな
上の溶岩を191217日中の3n画像を下地にして載せます。
191213夜間撮影
191217日中撮影
12月17日になると東の溶岩流が薄くなったので、少し下地を暗くしました。
ランドサットが夜間撮影してくれない中、ASTERは良いですね。
とりあえずUPです。詳細判読はのちほど。
R011209 1年5か月ぶりに再噴火した西之島
赤色立体地図の最新版をいただきました!
ビッグニュースなので大見出しにしました。
赤色立体地図は今まで、発明者であるアジア航測の千葉達朗先生が各所でUPしていたものを使わせて頂いていましたが、今回本ブログは溶岩流と火口位置の解析のために~という理由で、なんと千葉先生に直接「最新版が欲しいんです」とお願いいたしました!無謀っ!!っなお願いでしたが先生には快諾いただきまして、あっという間に頂戴いたしましたのでUPいたします。
千葉先生有難うございます!
ということで、国土地理院の最新版DEM(181201)による赤色立体地図、出来立てほやほやのアツアツアチチであります。きっと本邦初公開?
本図の画像スケールは2.5m/px。赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です(重要)
西之島の噴火再開について
2019年12月4日、ひまわり8号が西之島から熱源を感知し、このデータからは噴火活動の活発さを占う輝度が非常に高く、噴火の再開が予見されてきました。
12月6日の段階で溶岩流の海への到達が確認されるなど、すでに本格的な活動となっています。
ランドサット8の20191209撮影データから、西之島の噴火活動を処理しました。
当日は薄い雲が上空にあり島の輪郭は不明ながら、雲を透過して熱活動を確認できました。画像は
・B7、B7弱、B6を、赤緑青と処理
・これをB4で減算して雲を除去
・最後の画像は別な日20190702に撮影したB8を下地にして載せています。
連続して貼りますよ。
赤色立体地図載せで判読
頂いた赤色立体地図は、判読に利用した補助線と共に載せ軽く判読です。
火口は完全に熱源となっており、東側の溶岩流出口も想定位置どおりの輝きを得ています。
火口を含む判読線は国土地理院の出した地形変化のデータから、明らかに大きく変位した範囲、すなわち溶岩流と思われる範囲です。
海に進入したと思われる場所には光点が確認できませんでしたが、東側の端部付近、そして火口から北西に向かう光源の位置を確認しました。
ここはオリジナルの判読補助線のアップ画像です。
右上方面の光点は明らかに熱源のもので、おそらく溶岩流の先端部です。
火口北西方面の光筋は悩ましい。
噴煙は南南西方面で、雲は高度がありそうです。
すると噴煙への火映ではなさそうなので、何らかの高温熱源があると思いますよ。
アップ画像に赤色立体地図を再度重ねますが、溶岩流範囲は今回確認できた赤熱範囲と整合性がとれました。
ということで画像からの判読は以上ですが、公式が東方面への溶岩流しか言及していない中、「北西方面にも熱源アリ」と無謀ながら申しておきますぞ。
今回はこの辺で。
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