閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

R020126ランドサット8の捉えた西之島

 

流下方向が読めないんぬ

 1月26日ランドサット8の西之島島撮影は、高層雲の邪魔は入りましたがまあよく撮れた方でしょう。

そのデータはUSGSから。

 

下は20200126LANDSAT8撮影の西之島

当日は高層雲に阻まれたので、BAND9で減算処理を行ってます。

最初はパンシャープン。B8背景、B4赤、B3緑、B1青、B9減算です。

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200126LANDSAT8-USGS

 

お次はフォールス赤外。B7赤、B6緑、B5青、B8背景。

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200126LANDSAT8-USGS

夜間風にしました。B7高感度赤、B7低感度緑、B6青、B9減算。

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200126LANDSAT8-USGS

赤色立体地図合せです。

赤色立体地図はアジア航測の千葉達朗先生の発明した特許技術です。

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200126赤色立体地図合せ

 

だいち2号の1月17日データにも載せてみよう。しかしハードライトで!

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 判読です

怪しげな東方面への輝き。新展開が起きているようです。

しかし北東方面へ向かう火砕丘からの溶岩堤防ルートも健在。

今後は予測できぬ!

という音でまた報告は上げまする。

 

コメントはお気楽にどうぞ~~

R020121 ASTERの捉えた夜間の西之島

北方向に新展開(ちょっとだけ)なるか

20200117にだいち2号のSAR画像で写っていた新しい溶岩流の萌芽。

気になるところでしたが、4日後の夜間にASTERが熱画像で西之島を捉えていたので検証したいと思いますよ。

 

早速ASTERの熱赤外画像ですが、5つある熱赤外バンドを全て比較明で合成し、グラデーションカラーで処理したものです。

ASTERのデータはMADASから。

MADAS(METI AIST Data Archive System)

画像の解像度は15m/ピクセル

 

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20200121ASTER

多少雲の影響があるようですが、よく映っていると思います。

 

合成相手は国土地理院提供のSAR解析画像(下)です。

西之島のだいち2号SARデータ解析結果|国土地理院

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200117国土地理院:だいち2号干渉SARによる変動

上記の二つを載せ合わせただけだと色まみれになるので、CMYKで色分解して白黒にし重ねた、2種類の合成をUPします。

合成して変化を確認したい

最初に差の絶対値合成です

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処理(差の絶対値)

ちょと明瞭だけど難しいな。

お次は微粒結合です

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処理(微粒結合)

ザラザラした下部分がSARの捉えた変化の大きい場所になるのですが、干渉波画像は上手に利用してみたいけど上手くいかないです。

SAR画像と合成して海岸線を確認

お次はSARの白黒画像と合成です。

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SAR画像-不透明度60%

海岸線部分と北方向に新しく出た溶岩の萌芽は、流れとしては歩みがのろいかもしれませんが、しっかりと広がっているようですね。

最後は赤色立体地図に乗せましょう!!銀河浜へ向かっている~~

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赤色立体地図(千葉先生より)+熱赤外画像合成

赤色立体地図はアジア航測の千葉達朗先生が発明した特許技術です!。

判読

溶岩流出口の位置は変わらず、熱活動の目立つ末端は海岸線で主に2箇所。内陸部に新しく1か所となったようです。

海岸線は大きく変化していませんが、活発に海に流れ込んでいる状態です。

陸上部のあたらしい流れは、ゆっくりながら銀河浜の方に向かって行っているようです。このままだとまた一つ浜が消える・・・のか?

 

記事は以上です。

 

明日26日はランドサット8の撮影日です。

天候に期待して待ちましょうかね!!

 

コメントはお気楽にどうぞ~。

R020117西之島の標高を測定(その2)

横から撮影した西之島キタ!

衛星画像から見た感じで標高を宣言して翌日、海保から西之島を横から撮影した画像がUPされました!しかも同日撮影で。

しかも予想した山頂形状と違うんだけど。

 

ということで別な角度から恐怖の答え合わせと行きましょう~

画像は海保から

西之島|海域火山データベース|海上保安庁 海洋情報部

手法

だいち2号の画像をベースに補助線を適当に配置して、撮影方向と横断面を線引きします。f:id:gravireyossy:20200121013150p:plain

 

これを横からの画像に位置合わせして補助線のスケールをそろえ、頂上垂線の高低差を測りました。

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はい、平均して頂上の標高は207mといったとこですね!

なんと210mに対して誤差1.5%程度で収まったとは。結果論には精度ありましたな。

まあ標高200mは固いでしょう。

 

なんてこれもお手盛りですので、今回はこの辺にして。

コメントはお気楽にどうぞ~

R020117西之島の標高を測定(推測)

手ぇぬるいっ!!あんな小島少し締め上げればすぐ標高を割るわい!

西之島が令和の再噴火して1か月ちょい。

皆さん興味あるところの山頂部標高がどうなったのかを伝えるニュースが無い中、SARの白黒画像と虹色の干渉波画像ばかりが手に入るこの頃です。

しかし誤差数センチと胸を張るだいち2号のレーダー計測なんだから、西之島の標高そのものの値が分かっているんじゃないかな~国土地理院さんは。

ええい!なぜ数字が出てこないんだ!くそぉ特務の青二才がぁ~ならばこうしてやるわい!えいっ!!こーーい!!つづけぇーーーーー!!!

ということで今回も遠く見果てぬ西之島へ、皆様と出発いたしますよ~

その前に!

番組、データ紹介

サイエンスZERO「2週連続 探検!火山島“西之島”PARTⅡ」

1月19日午後11時30分~ 午前0時00分です


各方面からの西之島観測情報が盛りだくさん、定例の会議資料です。 西之島はその4、その8に載っています

気象庁|火山噴火予知連絡会資料

 

気象庁の分は、こちらの方が最新ですね

気象庁|月間火山概況・火山活動解説資料

12月の活動状況はトータル下図のような感じでしたよ。

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画像

ちなみに同期間、当ブログにおける表示回数は下図のようになってます。

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ほぼ同じデータだが、最近は西之島の勢いに付いて行けていない?

 

ネタ元は

2020年1月17日だいち2号観測によるSAR解析画像です。

西之島のだいち2号SARデータ解析結果|国土地理院

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200117だいち2号 国土地理院

海岸線の変化も気になりますが、火砕丘が大きく膨らんでいくように見えますね。

実は火砕丘のようなスコリア山は、安息角の測定方法にほぼ近い方法で成長するため、

水平距離が分かれば高低差も分かるという関係にあります。

位置合わせしてから計算に入ります!

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200117だいちSAR-位置合わせ

ざっくり計算の根拠

画像から火砕丘の縁部すなわち法尻が2018年1月17日国土地理院のデータと比べて、80m程度は広がったと読んだ自分。そこから2018年の標高を起点に、火口の高さを求めてみました。

このとき西之島の火砕丘において安息角の値は33.6度とします。

下の断面図はアジア航測の千葉先生が公開していた西之島の経年変化をプロットしたものです。再噴火前の西之島の標高はここで160m程度でした。

そこに自分の解読結果を載せるとこのような感じです。

 

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不用意な標高計算200117

西之島の標高を不用意に打電する

上記の結果から、西之島の今の標高は210m\(^_^)/です! のーー!!やったぞ!!

 

とはいえ現在噴火活動によって標高は上がったり下がったりしている山頂部でしょう。

今回は甘々の測定からざっくりと出したものです。しかし山頂部は標高200m程度を伺っているのは間違いないでしょう。

標高が高いと何かいいことが?

噴火が収まる頃には大穴が開いてしまう傾向がある西之島ですが・・・標高が高ければ雲霧を集めて山体に水が供給されるようになります。

山は大きいほうが保水力が高まる。そして地盤が保水していれば地表面の温度変化も小さくなるのだ。

生態系の成長に高い山の存在は重要な意味を持つので、是非とも頂は高みを目指してほしいですね。

ということで、横から見た画像分析ですらない標高決定方法。これは重要な機密データですが、今回はドーラに出し抜かれる覚悟で不用意に公開いたしました!

閣下の秘密が解読された!

聡明な読者方はご存知ですが、自分が敬愛しHNをお借りしているモウロ将軍閣下。

今回は彼のセリフを無理やりねじ込んで記事にしてきましたが、彼の魅力を紹介する素晴らしい記事がhatenaにありましたので、紹介したいと思います。

tamakobkrunion.hatenablog.com

 

以上です。

ではコメントはお気楽にどうぞ!

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.