H271113EO-1の捉えた西之島
週間火山概況より
先週の週間火山概況からですが、2015/11/25に撮影した西之島の画像が出ていました。見ると火口縁付近、特に内壁側に硫黄の析出物が現れたようです。
これまでの西之島の活動を見ると、硫黄析出物は比較的低温となった場所に現れると思いますので、ここ最近は爆発的な噴火も一段落しているのかもしれません。
火砕丘南側の溶岩流は形が状況が変化していないようです。とはいえトンネル化して流れている場合もありますから、熱画像が見たいところです。
パンシャープン画像
やはりちょいと前のデータですが、11/13のEO-1の日中画像がUSGSにUPされていました。今回は中々きれいに映っていて、良好な撮影環境だったと思います。
下は2015/11/13朝方、EO-1の捉えた西之島です。
バンドの処理はB2青、B4緑、B5赤、B1背景。画像の解像度は10m/px。
噴煙が外れていて、火砕丘の北側の窪地の様子も見て取れます。
溶岩流画像
流れというほどの溶岩流ではないようですが、赤外フォールス画像では熱活動がしっかり写っていました。
バンドの処理はB8青、B9緑、B10赤、B7減算、B1背景。画像の解像度は10m/px。
青が何処に行ったのかという仕上がりですが、火砕丘南側流出口も高熱源となっています。気になる北側の大きめの窪地には熱源がありませんが、北東の小さめの窪地には輝きも確認できます。
夜間風画像に続きます。
夜間風熱源画像
例のごとく減算かまして夜間風処理します。バンドの処理はB9緑、B10赤、B8減算。画像の解像度は10m/px。
前日11/12のランドサット8画像と熱画像はだいたい似た形状で、11/15の夜間にあった変化は起きていない段階の様ですね。
位置合わせ
今回はきれいに海岸線も見えるので、こちらに7/28の地理院の海岸線と比較位置合わせします。こちらバンドの処理は、先のパンシャープンと違ってB3青、B4緑、B5赤、B1背景。画像のスケールは100m毎のゼブラで図示。海岸線は7/28の国土地理院から。
7/28に対して減った岬部分と増えた浜、という関係が見えます。特に北西の海王暗礁地区は大きな浜になっています。
赤色立体図合わせ
これだけよく見えていれば謎は無いわけですが、今回も赤色立体図に載せます。
赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です。
EO-1が18度程度傾斜して撮影しているので、適当計算で30mほど熱活動位置を東にスライドして位置を擬似合わせしています。
判読です
この撮影で気になったポイントは北側の大きな窪地。11/17の報告で確認できた穴ですが、雲の無いこの撮影時点でまとまった熱活動は捉えられません。つまり11/13の段階では既に形成済みで、そして冷えてしまっているという訳です。凹地形成イベントの順番は読めませんが、プロセスの証拠画像は一つ増えたという事ですかね。
波も低く解像度が高いので海岸線も読みますが、南東の喉笛溶岩扇状地と東の耳当て溶岩扇状地で浸食後退、そして海王暗礁区と南アゴ付近では浜が成長が大きい。
特に海王暗礁地区の浜の成長の仕方は面白い。今回の島成長プロセスでは周囲を溶岩の岬に挟まれた場所で浜は成長してきたが、ここでは浜自身が突端を造り始めています。海流の向きがポイントなんでしょうかね。
南アゴ付近の浜の成長は、喉笛溶岩扇状地と8月にちょっとだけ海に到達した溶岩流の影響が出てきたかなと思います。
今回の記事は以上です。
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