R020121 ASTERの捉えた夜間の西之島
北方向に新展開(ちょっとだけ)なるか
20200117にだいち2号のSAR画像で写っていた新しい溶岩流の萌芽。
気になるところでしたが、4日後の夜間にASTERが熱画像で西之島を捉えていたので検証したいと思いますよ。
早速ASTERの熱赤外画像ですが、5つある熱赤外バンドを全て比較明で合成し、グラデーションカラーで処理したものです。
ASTERのデータはMADASから。
MADAS(METI AIST Data Archive System)
画像の解像度は15m/ピクセル
多少雲の影響があるようですが、よく映っていると思います。
合成相手は国土地理院提供のSAR解析画像(下)です。
上記の二つを載せ合わせただけだと色まみれになるので、CMYKで色分解して白黒にし重ねた、2種類の合成をUPします。
合成して変化を確認したい
最初に差の絶対値合成です
ちょと明瞭だけど難しいな。
お次は微粒結合です
ザラザラした下部分がSARの捉えた変化の大きい場所になるのですが、干渉波画像は上手に利用してみたいけど上手くいかないです。
SAR画像と合成して海岸線を確認
お次はSARの白黒画像と合成です。
海岸線部分と北方向に新しく出た溶岩の萌芽は、流れとしては歩みがのろいかもしれませんが、しっかりと広がっているようですね。
最後は赤色立体地図に乗せましょう!!銀河浜へ向かっている~~
赤色立体地図はアジア航測の千葉達朗先生が発明した特許技術です!。
判読
溶岩流出口の位置は変わらず、熱活動の目立つ末端は海岸線で主に2箇所。内陸部に新しく1か所となったようです。
海岸線は大きく変化していませんが、活発に海に流れ込んでいる状態です。
陸上部のあたらしい流れは、ゆっくりながら銀河浜の方に向かって行っているようです。このままだとまた一つ浜が消える・・・のか?
記事は以上です。
明日26日はランドサット8の撮影日です。
天候に期待して待ちましょうかね!!
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R020117西之島の標高を測定(その2)
横から撮影した西之島キタ!
衛星画像から見た感じで標高を宣言して翌日、海保から西之島を横から撮影した画像がUPされました!しかも同日撮影で。
しかも予想した山頂形状と違うんだけど。
ということで別な角度から恐怖の答え合わせと行きましょう~
画像は海保から
手法
だいち2号の画像をベースに補助線を適当に配置して、撮影方向と横断面を線引きします。
これを横からの画像に位置合わせして補助線のスケールをそろえ、頂上垂線の高低差を測りました。
はい、平均して頂上の標高は207mといったとこですね!
なんと210mに対して誤差1.5%程度で収まったとは。結果論には精度ありましたな。
まあ標高200mは固いでしょう。
なんてこれもお手盛りですので、今回はこの辺にして。
コメントはお気楽にどうぞ~
R020117西之島の標高を測定(推測)
手ぇぬるいっ!!あんな小島少し締め上げればすぐ標高を割るわい!
西之島が令和の再噴火して1か月ちょい。
皆さん興味あるところの山頂部標高がどうなったのかを伝えるニュースが無い中、SARの白黒画像と虹色の干渉波画像ばかりが手に入るこの頃です。
しかし誤差数センチと胸を張るだいち2号のレーダー計測なんだから、西之島の標高そのものの値が分かっているんじゃないかな~国土地理院さんは。
ええい!なぜ数字が出てこないんだ!くそぉ特務の青二才がぁ~ならばこうしてやるわい!えいっ!!こーーい!!つづけぇーーーーー!!!
ということで今回も遠く見果てぬ西之島へ、皆様と出発いたしますよ~
その前に!
番組、データ紹介
サイエンスZERO「2週連続 探検!火山島“西之島”PARTⅡ」
1月19日午後11時30分~ 午前0時00分です
各方面からの西之島観測情報が盛りだくさん、定例の会議資料です。 西之島はその4、その8に載っています
気象庁の分は、こちらの方が最新ですね
12月の活動状況はトータル下図のような感じでしたよ。
ちなみに同期間、当ブログにおける表示回数は下図のようになってます。
ほぼ同じデータだが、最近は西之島の勢いに付いて行けていない?
ネタ元は
2020年1月17日だいち2号観測によるSAR解析画像です。
海岸線の変化も気になりますが、火砕丘が大きく膨らんでいくように見えますね。
実は火砕丘のようなスコリア山は、安息角の測定方法にほぼ近い方法で成長するため、
水平距離が分かれば高低差も分かるという関係にあります。
位置合わせしてから計算に入ります!
ざっくり計算の根拠
画像から火砕丘の縁部すなわち法尻が2018年1月17日国土地理院のデータと比べて、80m程度は広がったと読んだ自分。そこから2018年の標高を起点に、火口の高さを求めてみました。
このとき西之島の火砕丘において安息角の値は33.6度とします。
下の断面図はアジア航測の千葉先生が公開していた西之島の経年変化をプロットしたものです。再噴火前の西之島の標高はここで160m程度でした。
そこに自分の解読結果を載せるとこのような感じです。
西之島の標高を不用意に打電する
上記の結果から、西之島の今の標高は210m\(^_^)/です! のーー!!やったぞ!!
とはいえ現在噴火活動によって標高は上がったり下がったりしている山頂部でしょう。
今回は甘々の測定からざっくりと出したものです。しかし山頂部は標高200m程度を伺っているのは間違いないでしょう。
標高が高いと何かいいことが?
噴火が収まる頃には大穴が開いてしまう傾向がある西之島ですが・・・標高が高ければ雲霧を集めて山体に水が供給されるようになります。
山は大きいほうが保水力が高まる。そして地盤が保水していれば地表面の温度変化も小さくなるのだ。
生態系の成長に高い山の存在は重要な意味を持つので、是非とも頂は高みを目指してほしいですね。
ということで、横から見た画像分析ですらない標高決定方法。これは重要な機密データですが、今回はドーラに出し抜かれる覚悟で不用意に公開いたしました!
閣下の秘密が解読された!
聡明な読者方はご存知ですが、自分が敬愛しHNをお借りしているモウロ将軍閣下。
今回は彼のセリフを無理やりねじ込んで記事にしてきましたが、彼の魅力を紹介する素晴らしい記事がhatenaにありましたので、紹介したいと思います。
以上です。
ではコメントはお気楽にどうぞ!
R010110ランドサット8の捉えた西之島
令和噴火前の海底地形図
令和再噴火で海面埋め立てがさっさとはじまり、どこがどうなるのか、元の海底地形図が古いと納得いかないという諸兄もおられるかもしれんと思いまして、というか自分が納得いかんということで、皆様ご存知、アジア航測の千葉達朗先生から頂きました赤色立体地図とジョイントいたしましたのでUPします。
主経線が赤い部分は完全に自分が手心を加えた等深線になります。
他は海保からリリースされた海底地形図を断片的に読み取ったモノになっています。
緑色は暗礁図です。懐かしいですが、もう北側の僅かな部分しか残っていないですね。
西岬の暗礁は12月に旧島に迫った溶岩流にほぼ覆われた状態です。
番組の紹介です
「サイエンススタジアム2019 探検!火山島“西之島”」
再噴火前の2019年9月に西之島に上陸調査が行われたはずなので、この番組で紹介されると思われますが、西之島にゴキブリが繁殖しているという大変テラフォーマーな話題もあります。
ワモンゴキブリか~でかいんだよなあ・・・。
Gはさておきランドサット8
冬場は雲が流れてくることが多いと思っているのですが、今回はなんとか西之島の火砕丘や中央火口の噴煙、そして北東に伸びる溶岩流が健在であったことが確認できました。
データはUSGSからです。
https://earthexplorer.usgs.gov/
パンシャープン画像
B4赤、B3緑、B1青、B8背景。さらにB8低感度を雲の減算に使用しています。
フォールスカラー
赤外線バンドによる偽の色付け画像です。
B7赤、B6緑、B5青。
夜間風
上の画像をB4で減算しています
雲が残ってしまいましたな~。でもB7の赤い輝きを消したくなかったもんで。
熱赤外画像
B10、B11を重ねて比較明で合成したものをグラデーションカラーにしました。
サーモグラフィー画像にしようとしたのですが、PCが変わってグラデーションデータ見失ったのでこれで勘弁です(;^_^A
お次は夜間風画像にB8を背景として、溶岩流の画像です。
さて前回に続き、バンド5での溶岩流の輝きが流出口の位置で確認できました。
日中画像では珍しい事なので、BAND5の画像に旗揚げだけしてUPしてみます。
ほんのわずか見えていますが、これは高温である事の証なのですな。
赤色立体地図の載せ
夜間風画像を赤色立体地図に乗せます。
すっかり活動領域が海に出ましたね~
判読
北東へ流れた溶岩流の流出口位置と、上流の流路は変わりがないようです。
下流に行って溶岩扇状地のうち東側寄りが再度主流になっていますが、今後も主流は振り子のように動くかもしれません。
旧島付近には熱源がほぼ消えました。余熱レベルの状態と思われます。溶岩扇状地も浸食され、浜の形成が進み始めているように見えますね。
とりあえず以上です
コメントはお気楽にどうぞ~