閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

西之島は富士山のような大きい山だと申しますが

断面図で西之島と富士山を比較

--9/30断面図2枚を差し替えました--

西之島は周囲海域4000mもの深海からそびえる独立峰である・・という。そして山体は富士山と同じぐらい大きいんだと。見えないけど。

どんな形状なのか。海底地形は浮力で支えられるから超級勾配なのだろうか。待てど暮らせどこれは見えないのだから、ここで断面図にして比較することにした。

主題は「西之島-富士山 山体形状比較断面図」で拡大図から。

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--富士山の基面を500m下げて西之島の平場と山体が同程度の大きさになるように差替えました-- 

使用したデータは西之島海保の海底地形図で気象庁から取得。富士山は国土地理院地理院地図です。断面図は山頂付近で等高線10m毎にプロット。順次50m毎にプロットして行った。

この断面図は縦横の縮尺は原寸通りで、縦強調等はしていませんから、一応見た目通りと言えます。寸法は表題横の四角から拾ってください。ちなみに重ね図下の黄色い富士山と、水色の西之島の標高は正規の高低差です。

西之島は特に旧島陸上部と昭和噴火物、平成噴火物を別な色にペイント表記してあります。また重ね図の基面は富士山の標高1000mと、西之島の水深2000mでそろえたもので、富士山の色を透過させてます。

下は同じ断面図の全体図です。

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 地図を見るだけではなかなかピンとこないが、西之島の山体は緩やかなものだと感じます。富士の緩やかな側の斜面よりさらに緩く、あふれた溶岩もすぐには深海に向かわないのではないかと思い、平成溶岩の末端崖は適当に止めました。

 使用資料

断面図作成に使用した西之島の海底地形図に断面取得位置を表示した。断面図は南西から見た形になっている。測定は西之島の特徴を表すために、本島部分だけは200mほどスライドした位置で行った。

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同様に下図は富士山の断面取得位置。断面図は富士宮方面から見た絵になっている。見ての通りで富士山としては緩やかな勾配の方角で測定してある。

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 今まで西之島の浅い平場を過ぎた溶岩がどの様な斜面に落ちていくのか、イマイチ想像できなかったが、富士吉田や富士宮からみた富士山写真の山腹あたりあたりを想像すればだいたい正解、という結論かな。

実物は見えないだけに、今回は自分でも興味深かった。

--この記事は図等の差替えを繰り返してしまいました。見やすくなってるかと思いますが、以前の画像を所望の場合はコメントで要望して下さい-- 

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LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.