閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

H270804 ランドサット8の捉えた夜の西之島

黄色い何かが盛大にトッピングされた西之島

 最近自分が度々言及しているストレッチマン2。懇切丁寧に説明をすれば彼は主に黄色く、危機に陥るとその辺に転がっているレモンを皮ごとかじってパワーアップしたりするNHKの正義の味方だ。

 このところ西之島では火砕丘付近に黄色いストレッチパワー硫黄析出物が溜まりすぎたと遠まわしに懸念を表明していたつもりだったが、記事では懸念よりギャグ性能を追及してしまう為に説明的記事もせず、遂には火砕丘が殆んど黄色くなってしまった。これは、ピーンチ!

下は海保の撮影した今年2015/7/31の火砕丘。第7火口を囲うスコリアの火砕丘は既にストレッチパワー硫黄析出物で山体を黄色く染めている。

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同じ場所を撮影した下の6/18の画像を見ると、火砕丘には短期間のうちに膨大で黄色いストレッチパワーが、溜まってきていることが、わかるだろう。 

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この6/18段階では北側の新しい火口もなく、火口自体も小さい。

 何故ストレッチパワーを危険視するのか?

 実は昨年の2014/8/26、西之島では大流出を9/6日を控えたこの時期に、溶岩マウンド周辺は今思えばストレッチパワー析出物で火口縁付近を黄色く染めていた。

画像は海上保安庁よりArchive Nishinosihma 恐らく南東からの撮影です。

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 硫黄析出物の発生と溶岩の大流出に因果関係があるとは言えないが、黄色くなった山体を見ると、何かをためているのではないかと、やはり思ってしまう。

ちなみに中央火口内にあるカボチャのようなものは「溶岩マウンド」。当時は火道に蓋をした形状から、爆発的な噴火を警戒する要因となった構造だ。

そして遠くにある緑の平地は通称「月浦平原」、群生する植物はスベリヒユやオヒシバ、ハマヒルガオ等だと思いますが、続く9/6からの溶岩の大流出ですべて溶岩台地に没してしまっている。 

この悲劇にも懲りずに、植物群には復活してもらいたいと思う。

(文中で硫黄析出物とストレッチパワーが区別できなくなっていますが適当に読んでください)

ランドサットの撮影 

 さて台風13号の影響で、風は東南東から吹いている状況だったと思いますが、微妙に雲の影響を受ける事となったランドサット8の西之島夜間撮影です。

活動の状態が変化している中、しかし溶岩流は十分に流れていることが確認できました。

画像はH27/8/4夜間撮影の西之島付近。バンドの処理はB10ネガポジで濃いシアン、B7高感度で赤、B6高感度で緑。画像解像度は60m/px。 

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火映の表示

バンドの処理はB10青、B7高感度で赤、B6高感度で緑、スケールは10m/px。

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位置合わせに続きます。

 位置合わせです

バンドはB7赤、B6緑。スケールは100m毎のゼブラで図示。 海底地形の等深線はオリジナルで、50m毎です。

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赤色立体図載せ

赤色立体図に載せます。B7高感度で赤、B6緑に、赤色立体図を背景に使用。スケールは100m毎のゼブラで図示。

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 赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です

判読です 

今回も雲が多いのですが、ここでは第7火口は所定の位置です。小さい北の火口と区別は出来ませんが、健在の様です。ホルニトは不明瞭です。

南アゴの溶岩流は、既に海岸線に達しているのではないでしょうか。今回海まで到達するなら、さすがに胸熱です。

 

さて記事は以上です。

コメントはお気楽にどうぞ。

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.