ランドサットの捉えた夜の西之島H270216
QGISを利用してランドサットの画像を調整
TIRS画像が得られなくなた現状、情報の少ない夜間の出来事の把握は重要課題。QGISを利用してGeotiffを読み込み調整することで、非常にデリケートな感度まで表現できるようになりました。
さて降水確率こそ低いものの、2/16は曇りの予定の小笠原諸島。噴煙等を映す火映とともに、明瞭な火山活動がランドサット8に捉えられました。
下は2015/2/16ランドサット8夜間撮影の西之島。B7赤、B6緑、B5ネガポジ変換の白黒。解像度は10m/pic。--日付訂正しました--
火砕丘の周囲は赤いですが、溶岩流が原因でなく、感度を上げたため火砕物が光っていると思います。調整方法をしばらく模索しますのでご承知を。
今回はB5をネガポジ変換して高温部が黒くなっています。火口の位置をはっきりさせたくてね。
位置合わせに続きます。
西之島の溶岩流が東に成長するのは予定外
今まで位置合わせ枠は自分なりに定型のモノを利用していました。
東は140度54分0秒
西は140度52分40秒
南は27度14分0秒
北は27度15分50秒
しかしながらやばいな、今まで超えられないと思っていた図枠の東側、140度54分0秒のラインいっぱいに成長してきた。
そろそろ枠を広げるか・・
ところで前回の記事はこれ、84時間前の画像です。
お次は赤色立体図に溶岩流を載せました。
B5をブラックにしたのは少し邪悪だったかもしれないな、今さらだけど。
--追記--
判読です
火口から400m程度離れた場所に光点が転がっています。火口から飛来した火砕物だと思いますが、これは噴気が活発であると言えるでしょう。
溶岩流は陸上部にあふれ出た部分もなく、ストレスなく流下していると思われます。
溶岩扇状地は北側の三角浅根方面も順調。海岸部はほぼ高温部となっています。
溶岩扇状地南側は熱量も多く最も活発。新鮮な溶岩が継続的に到達している事が想像できるが、だが面積は僅かしか増えていない。 となると海中に30万m3/日ほどではなくとも、相当量の溶岩が流れ出ていると思われる。すでに溶岩末端は水深150m程度まで達しているのではないか。
溶岩扇状地について
今回成長している溶岩扇状地は浸食に対して堅牢なのでしょうか? 様々な意見があるでしょうが自分は、これは丈夫な構造だと思います。
最近発表された東大地震研の推移図を見てみますと・・
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2015/01/201502113_1.jpg
例えば西頬崎は海蝕が進んでいますが、ここは溶岩流が各々単体で少しずつ大きくなっていった場所で、成長しながら悪天候に見舞われて砂礫層を挟み込んでます。このため海蝕に対して脆かったのだと思います。
そこで東頬崎はあまり海蝕が進んでいません。この東頬がなかなか海蝕されないのは、H26年6月に一気に溶岩が流れて出来た溶岩扇状地構造だったからからと思っています。この場合当初の水深が深いという事は現在新規の溶岩が分厚いという事であり、冷え方としてこれは溶岩にとって好条件です。
ただ下地が砂礫のみで構成されている場合は、東大地震研の想定していたズッコケの心配はありますね。ここはドリフのコントを真似ないで貰いたいね。
以上です。まだまだ東に流れるかな。
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