閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

H270820 ランドサット8の捉えた夜の西之島

 平成噴火前の西之島は

 平成25年より開始した噴火によって今はそのほとんどが溶岩に覆われた旧西之島。噴火前の西之島には貧弱ながらも植生があり、海鳥は希少種が営巣する場所でした。

その様子をご紹介。引用は下記から。

小笠原自然情報センター:プレスセンター:フォトギャラリー:色々な島

f:id:gravireyossy:20150820105436j:plain

(南台地の東側を月浦平原内から南向きに撮影と思われる) 

f:id:gravireyossy:20150820215942j:plain

(昭和噴火の第5火口東側を月浦平原内から東向きに撮影と思われる)

 

 丸い石がごろごろしている月浦平原は、月浦湾が閉塞した位置に砂礫が堆積して出来た平地です。標高は海岸付近の高いところでも7m程度と低く、中央に月浦湾の痕跡湖がありました。

引用は下記から 

くらしナビ・環境:西之島噴火、海鳥どうなる 国内有数の繁殖地 溶岩で覆われ - 毎日新聞

f:id:gravireyossy:20150820220131j:plain

(上記痕跡湖と思われる)

小さな島だったわけですが、特に砂礫の堆積によって生み出された地形に多様性があり立派な生態系が存在していますね。

 写っている部分はすべて溶岩で埋まってしまいましたが、新しい西之島にはどのような生態系が生まれるのか。これは今後どういう地形になるかに、かかっていると思う訳です。

ビッグイベントの紹介です

 来ましたね西之島のNHK特番が。正月に予告があってから8か月待ちましたが、この間色々と調査関係のイベントが多かったかとも思います。楽しみです。 

 なかなか予告の動画も解像度高く、無人ヘリが夜間に撮影してきたという画像はまた素晴らしい。

f:id:gravireyossy:20150822230256j:plain

凄いですね。何かの映画のような溶岩流じゃないか。 

www6.nhk.or.jp

保存版でばっちり録画しないと。

 

そしてちまこ師匠の情報による海洋政策研究所のフォーラムのお知らせです。

9/11 海洋政策研究所 第124回海洋フォーラム「噴火を続ける太平洋上の西之島」のお知らせ

 こちらでは去年も西之島の活動を引用した海底地形関連の公演があったようです。資料が公開されていますが、面白いです。

笹川平和財団海洋政策研究所|第110回「海底の驚異と西之島の火山噴火」

ちまこ師匠有難う!

 台風16号迫る中

火山の撮影では風がないときには噴煙が支障となってしまう事があります。台風16号が迫る西之島は雲も疎らに、噴煙も吹き飛ばされ良い撮影状態になったと思います。

 画像はH27/8/20夜間撮影の西之島付近。バンドの処理はB10とB11をネガポジで濃いシアン、B7高感度で赤、B6高感度で緑。画像解像度は60m/px。 

f:id:gravireyossy:20150821160839j:plain

 台風に煽られる細かい雲が紬の布地のようですね。気のせいか?

火映の表示に続きますよ

 火映の表示

バンドの処理はB10とB11をネガポジで濃いシアン、B7高感度で赤、B6高感度で緑、B5高感度で白。画像解像度10m/px。

f:id:gravireyossy:20150822142643j:plain

青で表現されたB10、B11の熱赤外線で暗くなった部分は熱源です。陸地と溶岩の熱でしょう。

B7の赤は高温部ですが、熱赤外線も被った明るい赤紫部分は火映です。雲や噴煙に溶岩の熱が反射したものです。

 

お次は中間長赤外線の感度を標準にして高温部のシンプルな画像ですB7赤、B6緑、B5高感度で白。画像解像度は10m/px。

f:id:gravireyossy:20150822234127j:plain

 夜間の西之島ではB5だけは常に高感度で扱っています。

 位置合わせです

 さて位置合わせの下地の等深線を最新版のオリジナル海底地形図に置き換えました。

バンドの処理はB10とB11をネガポジで濃いシアン、B7高感度で赤、B6高感度で緑。画像解像度は60m/px。 海岸線は6/18海保から。等深線はオリジナルです。目印の〇二つは第7火口とホルニトの位置です。

f:id:gravireyossy:20150821161108j:plain

 海底地形のほぼ現状を表しているであろう最新の等深線ですが、こうして重ね図に利用するのも良いかも。  

 赤色立体図合わせです

毎度おなじみの赤色立体図に合わせます。

f:id:gravireyossy:20150821161706j:plain

赤色立体図は千葉先生の発明したアジア航測の特許技術です

 等深線をオリジナルとは言え最新版にしたので、流出方向も把握しやすいかと思います。

判読です

 今回は雲や噴煙の影響はほぼ無いです。海保の8/19画像もUPされましたが、比較すると熱活動状況はほぼ正解を表示していると思います。

 海岸線では東耳当てと東頬の合間は活発に活動しているようです。 また南アゴ側海岸線の活動は継続していますが、8/11と比べて位置はほとんど変わっていません。

 相変わらず南東の喉笛溶岩扇状地に遮られた、旧海岸線の位置には溶岩が集まっているようです。

 ホルニトの南東に新しくできた溶岩流出口が今回最も活発な活動位置です。この位置は海保の解説図にも記載されました。

 流出方向は今回は東耳当てに向かう流れでが主流です。前回の北向きの活動は停滞しています。多少ずれて流れが新しく生じているようですが、細いものです。

 この辺は海保の説明図から。

f:id:gravireyossy:20150823093611j:plain

f:id:gravireyossy:20150823093215j:plain

画像は少しシャープにしたりしています。

 

NHKスペシャルの放映時間まで12時間を切ってしまった。いつになく盛りだくさんでしたが、今日の番組は楽しみたいですね。

 記事は以上です。

 コメントはお気楽にどうぞ。

LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.