閣下が不用意に打たれたblog

噴火で変遷する西之島の火口や海岸線、暗礁などの海底地形等の図を衛星画像や各種資料から作成してます

明治時代測量の西之島

先人の遺した貴重な資料

古い時代のデータの保存というのは重要な事で、明治時代に壊したり売ったりしてきた城郭などは今になって図面が無くなったとか出てきたとか、まあ過去を知ろうとする人には大切な資料です。

2chで紹介いただいた「海図49号の南方諸島諸分圖第1」のデータが閲覧できるという事で、西之島の過去を考察する資料がまた一つ増えました。

外邦図 デジタルアーカイブ / GAIHOZU Map Digital Archive

 これら外邦図は東北大学らに所蔵された戦前の軍事機密。戦後各々生きるのに精いっぱいだった時代に、よくぞ保存してくれてたと思います。ご紹介ありがとうございました。 

現代人の適当な加工

さてこの海図、西之島の陸上部分は自分が眺めていた国土地理院の地形図とは少し異なっていたので、確認したくなりました。測量年は一緒なので、元は同じデータだと思うのですが。 

http://mapps.gsi.go.jp/maplibSearch.do

自分が眺めていた明治の地図は昔のFAXのようで、線だか海岸だか不明な状態だった。地理院の各年代地形図のサンプルは、新しいものは色つきで見えるのだけど、さらに解像度が粗い。これらを追いかけると地理院の地形図は、明治の測量から昭和噴火が終わるまで絵としての変化はなかったらしい。

粗いデータばかり集めてしまったのですがしかしですね、これら複数枚の画像を重ねるとこっから画像ソフトがすごいんですわ。

解像度の悪い写真でも数が解像度を生み出すらしく、まるでまともな地図のように見える状態に。星の観測に使われる精度出しの考え方もこうなのかな。

ということで西之島の1/50000地形図の明治44年の地図をベースに各種年代の画像腕力加工で合体復活復元図第1号!

f:id:gravireyossy:20141014234726j:plain

すごいわ、海岸線わかるし、なんか見たことあるような地図になった。

でも全く本物じゃないので注意!

 で、遠慮なくカラーを落としていつもの平成噴火前海底地形図のデータに載せると。 

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gravireyossy/20141015/20141015193706_original.jpg

明治の西之島は結構でかいな。縮尺は解像度の低い中も引用できたのでざっくりあっていると思う。

画像合わせだがここでは銀河岩礁や金星木星土星の位置はほぼ現代の位置にありました。またご神体の北東には岩場があるが、昭和噴火の最初の写真でここには名残と思しき暗礁が写り込んでいた。小さな島だが測量は正確だ。

このようにこの地形図は信頼できる状態だと思う。そうすると四国状岩礁はやはり周囲らと一体となった巨大な島だったのは確定だ。

さてさて、ここまでやっといて自分は元の地形図が欲しくなりましたよ。正確なデータは、それだけでも魅力がありますね。

 

 --追記--

戦後米軍が日本中の空中写真を撮り、今それが貴重な過去の記録となっているのですが、西之島の写真を連結合成してみたのが下の記事。

1947/06/30(昭22)西之島の空中写真はモノクロだった - 閣下が不用意に打たれたblog

ご参考までに。

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LandBrowserのクレジット表示 The source data were downloaded from AIST‘s LandBrowser, (http://landbrowser.geogrid.org/landbrowser/index.html/). Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.